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映画の心理プロファイル

『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003 米)

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原題:『PIRATES OF CARIBBEAN』(143分)
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:ジョニー・デップ
    オーランド・ブルーム
    キーラ・ナイトレイ
    ジェフリー・ラッシュ

言わずと知れた2003年の大ヒットムービーです。

17世紀、カリブ海では大海原を我がもの顔に荒らし回る海賊たちと、それを
取り締まるイギリス海軍とが日々刃や砲火を交え、火花を散らしていました。

総督の娘エリザベスは取り締まる体制側にいながら、海賊に憧れを抱く
少女。貴族の娘としてカゴの鳥同然に育った少女の目には海賊は自由の
象徴のように映っていたのかもしれません。

父とイギリス海軍の戦艦に乗っていた幼き日のエリザベスは、洋上を漂う
板きれの上に少年の姿を発見します。
助け上げられた少年の胸にはドクロマークの入った黄金のコインがぶら下
がっていました。それを見つけたエリザベスは咄嗟に隠してしまいます。
ドクロは海賊のマーク。ならばこの少年は海賊の仲間に違いない。それが
大人たちにわかったら彼の命が危ない!そう直感したからです。

以来、大人になった今日まで、エリザベス(K・ナイトレイ)はそのコインをためつ
すがめつ大切に保管していました。
そして、今は成長して鍛冶屋になっている若者ウィル(O・ブルーム)にはずっと
密かに思いを寄せ続けていました。
だから、総督である父親が提督昇進の決まっている海軍将校を結婚相手にと
奨めても、首を縦にふることはありませんでした。

『ハロー(後光)効果』という心理用語をご存じでしょうか。
美人は、外見が素敵なたけでなく、性格もいいに違いないと思われがちです。
また、高学歴の人は、知能が高いだけでなく、生活力も将来性もあると思われ
がち。
このように、その人のある特徴的な一面の印象が強すぎる(まぶしく輝いている)
と、それに幻惑されて他の面もみな同様に輝いていると判断する傾向が人には
あるのです。
当時の並の女性なら、提督に昇進する海軍将校と聞けば、それだけでハロー
効果が働いて、その人のすべてが素敵に見え、恋心を燃やしたことでしょう。
けれど、エリザベスはそうじゃなかった。
海賊=自由に憧れるエリザベスにとっては、高貴な身分は不自由の象徴。
だからハロー効果はまるで効きません(ハロー効果はマイナスにも働くので、
マイナス方向にはとてもよく効いていたと言えますが)。
エリザベスの目にまぶしく映っていたのは、ドクロのメダル。そしてそれを身に
つけていたウィルでした。だから、大して会話を交わしたこともなかったウィルに
恋心を燃やし続けてこれたんですね。

お話は、そのメダルを中心に転がり始めます。
メダルを奪おうとするキャプテン・バルボッサ(J・ラッシュ)率いる呪われた海賊
たちにエリザベスは連れ去られます。エリザベスに恋心を抱いていたウィルは、
彼女を助け出すため一匹狼の海賊ジャック・スパロウ(J・デップ)と手を組み
海賊船のあとを追います。
さて、2人は無事エリザベスを救出できるのか。なぜ海賊たちはメダルを欲しが
ったのか。一匹狼のジャックはなぜウィルに協力する気になったのか。
そして2人の恋は成就するのか・・・、と様々な興味で見る者の心をわし掴みに
しつつ物語は展開していきます。

この映画、続編が作られる予定のようですが、そうなるとちょっと気がかりなこと
が。エリザベスはハロー効果でウィルに恋をしています。ウィルのすべてが輝い
て見えているわけ。でも実はウィルのことをほとんど何も知らないんですね。
実際、つき合ってみたらどうなるか。
エリザベスには海賊=自由という思い込みがあります。
でも実は、ウィルは父親が海賊であっただけで、本人は海賊とは無縁の人。
一方、ジャックはれっきとした海賊です。
ウィルと実際つき合ってみてエリザベスが幻滅を感じた場合、今度はジャックに
対してハロー効果が効きだすことは十分に考えられます。
さて、続編での恋の行方は如何に。
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by kiyotayoki | 2004-09-20 14:36 | 映画(は行)