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映画の心理プロファイル

『ホワイト・オランダー』(2002 米)

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原題:『WHITE OLEANDER』(109分)
監督:ピーター・コズミンスキー
原作:ジャネット・フィッチ(『扉』)
出演:アリソン・ローマン
    ミシェル・ファイファー
    レラー・ゼルウィガー

アストリッドという名の少女(A・ローマン)が強い母親(M・ファイファー)から
いかに自立したかを描いたヒューマンドラマ。
母一人子一人という家族形態はアメリカじゃありがちなんでしょうね。それだけ
に感情移入する人も多かったんでしょう、原作は全米でベストセラーになった
そうです。

アストリッド役のアリソン・ローマン(当時23歳)は、『マッチスティック・メン』
(2003)でもティーン・エイジャーを演じていましたが、この作品でも15歳の
役。幼顔が売りの女優さんなんでしょうか。

父親という存在を知らずに育ったアストリッドにとっては、美しいけれど独善的
で支配的な母親だけが世界のすべてでした。
タイトルの『ホワイト・オランダー』は白い夾竹桃という花の名。それは美しく
あるために毒を放つ花なのだそう。つまり、ホワイト・オランダーには母親
イングリッドの姿が投影されているんですね。
そのイングリッドが、ある日突然、殺人容疑で逮捕されてしまいます。
青天の霹靂。
その日から、未成年のアストリッドは里親の家を転々とすることになります。
転々しとしたのは、何もアストリッドがワガママだったからではありません。
どの里親も、終身刑で刑務所に収監された母イングリッドのお眼鏡にかなわな
かったから。
刑務所に入っからも、母は娘の人生をコントロールしていたのです。
娘の幸せを願う母ならば、陰ながら里親の家に根づくサポートをしてくれても
いいはずなのに、イングリッドがするのは邪魔ばかり。
なぜ?

母親から見た娘は可能性の塊です。娘は日々美しくなっていく。それにひき
かえ自分は歳をとるばかり、衰えていくばかり。だから母親は娘に嫉妬しや
すいのです。
アメリカの精神科医コーエンによると、母親の娘への嫉妬は次のような形で
現れるといいます。
●娘の自由を束縛し、自主性を摘み取る
●長所をほめず、欠点ばかり指摘する
●男は警戒すべきと教える
●職業的に自立できる教育を受けさせたがらない

「あんたのためなのよ」と口ではいいながら、実のところは娘を自分がいない
と何もできない操り人形に仕立てていくのです。
このような母親に育てられた娘は、引っ込み思案で依存心が強く、社会的な
成功を望まない性格になるといいます。
実際、アストリッドもそうでした。

この記事を読んでくださっている女性の方の中にも、母親の嫉妬を感じたこと
のある人(あるいは娘に嫉妬した人)って案外多いのかもしれませんね。
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by kiyotayoki | 2004-09-22 07:32 | 映画(は行)