映画の心理プロファイル

『ファインディング・ニモ』(2003 米)

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原題:『FINDING NEMO』(101分)
監督:アンドリュー・スタントン
声の出演:アルバート・ブルックス(木梨憲武)
       エレン・デシュネレス(室井 滋)

オーストラリア・グレートバリアリーフを舞台に、ダイバーにさらわれた我が子
を懸命に探すカクレクマノミの父親の大冒険を描いた大人も十分楽しめる
ファンタジーアニメです(ちょっと教育的なニオイがするのが玉にキズですが)。

母親と無数の卵の命と引き替えに助かった1個の卵から生まれたのがニモ。
父親マーリンは同じ悲劇を二度と繰り返すまいと超過保護にニモを育てます。
そんなニモもいつしか学校へ通う年頃に。
初登校日、マーリンは気が気ではありません。というのも、ニモの右のヒレが
とても小さかったから。みんなについていけないんじゃないか、いじめられる
んじゃないかと心配の先回りをしてばかり。
それがニモの反抗心を生み、結果としてダイバーにさらわれるきっかけを作っ
てしまったのですから皮肉なものです。

ニモのように、子供の頃あまりにも過保護に育てられ、自分で何かをやりとげ
た経験(成功体験)がないと、劣等感が強く、嫉妬心の強い人間になってしまう
といいます。その一方で、親がすべてやってくれるため変な万能感があり、
自己中心的で自己愛の強い人間にもなりがち。
今の若者にそのタイプが多いのも、ただでさえ過保護なのに、少子化でそれに
拍車がかかっているせいかも。

ニモもそのまま何事もなく成長していたら、きっと社会に馴染めない、引きこもり
系の若者(若魚)になっていたんじゃないでしょうか。
そういう意味では、まだ幼いうちに過保護な父親から引き離され、歯医者の水槽
で個性豊かな魚たちと出会えたのは結果的には幸運だったといえます。
しかも、自分の力で水槽から脱出するという“成功体験”を味わったことで、
ニモは劣等感からも解放され、自立心も芽生えた。
やっぱり「可愛い子には旅をさせよ」なんですね。
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by kiyotayoki | 2004-10-01 09:55 | 映画(は行)