映画の心理プロファイル

『バースデイ・ガール』(2002 米)

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原題:『BIRTHDAY GIRL』(94分)
監督:ジェズ・バターワース
出演:ニコール・キッドマン
    ベン・チャップリン
    ヴァンサン・カッセル
    マチュー・カソヴィッツ

最近の“おれおれ詐欺”は原形をとどめないほど進化しているようですが、
この映画で描かれる詐欺は、“美人局”の進化形なのかも。

主人公のジョン(B・チャップリン)はロンドン郊外の小さな一戸建ての家に一
人で住んでる30過ぎの独身男。性格は生真面目で内気で無口で、これで
眼鏡をかければ外国人がイメージする典型的な日本人って感じの地味男くん。
職業は銀行の窓口係。まあ、ぴったりな仕事を選んだもんです。
勤続10年になるけど、そういう人柄が災いしてか昇進の話はまるでなし。
もちろん恋人もなし。欲求不満はポルノビデオを見て解消している淋しい男。
さすがにこれじゃいかんと思ったのか、ジョンくん、インターネットで花嫁探しを
始めます。彼が目をつけたのは、『ロシアより愛をこめて』というロシア人女性
を斡旋してくれるサイト。
素朴なロシアの女なら、自分でもなんとかなると思ったのでしょう。

斡旋された女性を空港へ向かえに行くと、現れたのは化粧の濃い美女。
ナディアと名乗る女(N・キッドマン)はサイトの説明と違って英語がまるでダメ。
いくら美人でもこりゃダメだと思ったジョンは解約しようとしますが、インターネ
ットも電話も通じません。
そのうち夜になり、寝ようとするとそこへナディアがネグリジェ姿で現れます。
そんなつもりのなかったジョンは抵抗しますが、ナディアの愛のテクニックに
あえなく昇天。以来、ベットでの彼女の魅力にとりつかれたジョンは、次第に
彼女に心も奪われていきます。

夢見心地の日が何日続いたでしょうか。ナディアの誕生日の夜、2人で祝おう
としているところに、いきなり招かれざる客がやってきます。
客のひとり、ユーリ(M・カソヴィッツ)はナディアの従兄弟だと名乗り、友人の
アレクセイ(V・カッセル)と共にナディアを頼ってイギリスにやって来たのだと。
その日から2人は勝手に居候を決め込んでしまいます。
その傍若無人ぶりに、さすがに頭にきたジョンが「出ていってくれ」と宣告した
翌朝のこと。アレクセイが豹変したのです。
ナディアを縛り上げ、彼女が大事なら銀行から金を奪ってこいと強要。
やむなくジョンは自分の職場の金庫から数万ポンドを盗み出し彼らに与えます。
これでナディアも解放される・・・と思いきや、実はナディアとユーリ&アレクセイ
はグルだったことが判明。ジョンは失意のどん底に蹴落とされてしまいます。

おれおれ詐欺にしろ、美人局にしろ、人はなんでこうも簡単に騙されてしまうの
でしょう。それは騙す側が心の隙がどこにあるのかを熟知しているから。
典型的な騙しの心理テクニックは以下のようなねもの。
①ニンジン作戦・・・甘い話で欲望をかきたてる。ここではSEXの誘惑でした。
②肩書き作戦・・・権威や共同体意識を利用する。
③ムード作戦・・・理屈や理論よりも、感情、雰囲気に訴える。
④二重拘束作戦・・・おだてては突き放し、また泣き落とす。
⑤タイムアップ作戦・・・答えを出させるのに時間的余裕を与えない。
⑥おどし作戦・・・不安感をあおり、その場で同意を求める。
さて、こんな騙しのテクニックを駆使してくる相手に、あなたは対抗できるで
しょうか。
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by kiyotayoki | 2004-10-05 10:39 | 映画(は行)