映画の心理プロファイル

『バッファロー’66』(1998 米)

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原題:『BUFFALO’66』(118分)
監督・脚本・音楽:ヴィンセント・ギャロ
出演:ヴィンセント・ギャロ
    クリスティナ・リッチ
    アンジェリカ・ヒューストン
    ベン・ギャザラ
    ミッキー・ローク
    ロザンナ・アークエット

ミュージシャン、画家、写真家、バイク・レーサー、モデルとマルチな顔を持つ
ヴィンセント・ギャロが作った初の長編作品です。
タイトルは、ニューヨーク州バッファロー生まれの主人公ビリー・ブラウン(V・
ギャロ)の誕生年が1966年であるところから付けられたようです。

オープニングは、ビリーが5年の刑期を終えて刑務所から出てくるシーンから。
季節は冬。なのにビリーは寒そうなジーンズの上下。入所した時はきっと暖か
い季節だったんでしょうね。寒さのせいか、尿意をもよおしたビリーはトイレを探
しますが、清掃中だったり断られたりでなかなか思うようにいきません。
このままじゃ膀胱が破裂しちゃう。焦ったビリーはダンス教室のビルに無断で
入り込み、トイレへ直行。
トイレには男性用の便器が2つ。1つは大きな男が使用中。
ビリーは並んで立って用を足そうとしますが、隣の男が気になって出るものが
出てこない!そんな様子を見て隣の男がからかうもんだから、ビリーぶちキレ。
男をトイレから追い出してしまいます。
やっと安心して用が足せる、と思ったら興奮したせいかやっぱり出ない。
便器に当たり散らすビリー。
ビリーという男、威勢はいいけど、かなりの小心者のようです。
人は、自分の周りに『パーソナル・スペース』という見えないバリアを張って
暮らしています。気の小さい人は、そのバリア空間が広く、また他人に
それを侵害されるのを極度に嫌います。ビリーはまさにそのタイプみたい。

仕方なくトイレを出たビリーは、通路にあった公衆電話の受話器を取りますが、
あいにく25セント玉がなく、通りかかった少女から金を借りて両親に電話を
します。出所の報告かと思えば、政府の仕事をしていて連絡できなかったと
か、結婚もしていないのに女房と一緒だとかウソ八百を早口でまくし立てます。
人ってウソをつく時は早口になりがち。ウソがバレるって強迫観念があるので、
相手に反応する暇を与えたくない。だから、しゃべり続けることになっちゃうん
でしょうね。
言い訳をし始めた恋人や友人が早口になったらご用心、ということ。

コンプレックスの塊のような男ビリーは、両親に精一杯の見栄を張っちゃった。
その口が災いして、女房を連れて実家に行かなきゃならないはめに。
困ったビリーは、たまたま戻ってきたさっきの少女レイラ(C・リッチ)を拉致し、
彼女の車で実家を目指します。レイラを妻に仕立てて両親に会おうと思った
のです。いやはや困った刹那男です。
そんな男にレイラはつき合って、両親の前でちゃんと妻を演じるのですから、
彼女も心に何か“飢え”のようなものがあったのかも。
こうして、ビリーとレイラの不器用な愛の物語が始まります。
さて、その愛の行方は・・・・。

この映画、若い女性にかなり人気がありました。
女性たちはダメ男のビリーのどんなところにシンパシーを感じたのでしょうか。
時間があったら今度、そのあたりの心理を研究してみたいと思っています。
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by kiyotayoki | 2004-10-09 11:09 | 映画(は行)