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映画の心理プロファイル

『ある日どこかで』(1980 米)

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原題:『SOMEWHERE IN TIME』(108分)
監督:ジャノー・シュワーク
原作・脚本:リチャード・マシスン
出演:クリストファー・リーヴ
    ジェーン・シーモア
    テレサ・ライト
    クリストファー・プラマー

現地時間の10月10日、あの『スーパーマン』のクリストファー・リーヴ氏が亡くなったそうです。落馬事故で首から下が付随になってしまったのが95年。
ですから9年もの間、彼はスーパーマンにも負けない不屈の精神で生き抜き、
そして、生きる糧としての仕事やボランティア活動に情熱を燃やしてきたということ。
脱帽です。心からご冥福をお祈りしたいと思います。

そんな彼が出演した作品で、『スーパーマン』より印象に残っているのがこの映画。
『スーパーマン』が1978年、『スーパーマン2』が1981年ですから、その間に撮った作品。
『スーパーマン』で一躍人気者になった彼だけに、仕事のオファーは沢山あったはず。
その中から選んだ作品だけに、彼の思い入れも強かったのでは?
お話は、時空を超えた恋。タイムスリップものですから、ジャンルはSFファンタジーでしょうか。

主人公リチャード(C・リーヴ)は新進の劇作家。
母校での自作劇の初公演中に老婦人が現れ、彼に懐中時計を手渡すと、
「帰ってきて」という言葉を残して去ってしまいます。
8年後、ドライブで再び同地を訪れたリチャードは、町のクラシカルなホテルで
一枚の古びたポートレートに心奪われます。
写真にうつった美しい女性の名はエリーズ・マッケンナ(J・シーモア)という女優でした。
図書館で調べてみると、なんとエリーズが自分に懐中時計を手渡してくれた老婦人と
同一人物であることが判明します。
そして、彼女の遺品からタイムトラベルに関する書物を見つけたリチャードは、
それを読んで初めて懐中時計の意味を理解します。
その懐中時計こそタイムトラベルを可能にするカギだったのです。
写真のエリーズに会いたい、その一念に凝り固まったリチャードは懐中時計を胸に、
彼女を想いながらベッドで眠りにつきます。
するとどうでしょう。目覚めた彼がいたのは、68年前、1912年の同じホテルの同じ部屋でした。
彼女への募る想いが時空を超えさせてしまったのです。
エリーズの姿を求めてホテルの敷地内を探し回るリチャード。
そして、ついに湖のほとりでポートレートそのままの彼女の姿を発見!
リチャードははずむ息を整えながらこう尋ねます。
「Is it You?」
さて、時を超えて出逢った2人は果たして結ばれるのでしょうか・・・。

と、こんな風に書いてしまうと、ハーレクインロマン的な安っぽい恋愛モノと思う人がいる
かもしれませんが、古風なコスチュームの似合う2人の端正なルックスとそれにマッチした演技、
抒情的な絵づくりと音楽、そして余韻を残すエンディングなどが相まって、
案外素敵な幻想譚に仕上がっているんです。

また、主人公のリチャードのみならず、ジェーン・シーモア演じるエリーズの
魅惑的な微笑みにうっとりした男性ファンは多いはず。
イギリスの児童心理学者ボウルビーは、
「人は、他人をそこに足止めにするために微笑む」と言います。
素敵な微笑みには、人の足を止めてしまうほどの力があるということです。
あなたは、その力、活用していますか?
by kiyotayoki | 2004-10-12 16:39 | 映画(あ行)