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映画の心理プロファイル

『マルホランド・ドライブ』(2001 米)

ブログで行き来をさせていただいている方と直接お会いする機会って滅多にないのだけれど、
その滅多にないことが先週末、実現した。
お相手は、ママリン・モンローをこよなく愛するボーさん
ボーさんとお会いしたのは、今度で3回目だけど、お会いする場所は毎回決まっている。
目黒通り(下目黒)にあるカフェ・ノーマ・ジーン。
店名から「もしかして」と思われた方、正解です。
マリリン・モンローの本名を店名にしたこのカフェは、ボーさん同様にマリリンの大ファンの方がご夫婦でやっていらっしゃるお店。
エントランスから店内まで、すべての壁という壁はマリリンの写真やポスターで埋め尽くされております。
お皿やグラスには当然のようにマリリンの可愛いイラストが♪

そんなウェルカムムードいっぱいのお店で、ご主人もまじえて3人で楽しくお喋りをさせていただいたのだけれど、
その際、ボーさんが貸してくださったのが、今回ご紹介する映画のDVDでした。

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原題:『MULHOLLAND DR.』(146分)
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:ナオミ・ワッツ
   ローラ・エレナ・ハリング

この映画、公開時か、またはレンタルで観たはずなのに、あまり記憶に残っていないのは、
たぶん難解だったからだと思うんだなぁ。で、思考が停止しちゃったみたいで、断片しか記憶に残ってない(^^;

せっかく貸していただいたので、今回はリベンジするつもりで鑑賞いたしました。
だけど、軽~く返り討ちにあっちゃうかも???

『マルホランド・ドライブ』(2001 米)_a0037414_0441622.jpg


この映画が難解に思えるのは、謎の解明・解釈を観客それぞれに完全に委ねてしまうからなのでありましょう。
並の推理小説やサスペンスなら必ずあるはずの分かりやすい“解決編”が用意されていないのです。

映画は誰かの人生を描くのが常だけど、考えてみれば現実の人生には“解決編”は用意されていない。
ゆえに、人生を描く映画に“解決編”を用意するのは作り手の驕りでしかないのかもしれない。
そう考えると、リンチ監督がこういう映画を作り続けるのも理解できなくはないのだけれど。

見終わって、ああ、これってファンタジーのセオリーを逆にしたような映画なんだなと思った。
ファンタジーはまず現実の世界から始まって、
主人公が何かの事情で不思議の世界(主に夢の中)へ迷い込んで行くのが常だけど、
この映画は、まず現実と見まがうような夢の世界から始まるのです。
そして、ラスト30分ぐらいになってやっと現実の世界に戻る。
だから、2時間近く続く前半を現実だと思っていると誤解しちゃうし、後半の現実の世界についていけなくなってしまう。
ううう、デヴィッド・リンチ監督ってやっぱりひねくれてる~。

そういえば、似たような仕掛けを『マトリックス』が使っていたっけ。

そんな感じで、お話のだいたいの構造は理解できたけど、
映画の中に盛り込まれている様々な小さな謎は一度見直したぐらいじゃよくわからなかった。
それを理解するにはやはり、貸してくださったボーさんみたいに何度も観る必要があるみたいです(^^;

主役のナオミ・ワッツはこの時まだ無名に近かったと思うけど、いい演技してます。
彼女、この翌年に米国版『リング』に出演したんだね。それはやはりこの時の演技が注目されたからなんだと思うな。

そうそう、お話は深夜のマルホランドドライブでの自動車事故から始まります。
メインの101号線しか走った経験がないので不案内だけど、
現実にL.A.の北に存在するこの道はかなり曲がりくねっていて街灯もあまりないようだ。
下手をすると変な山道に迷い込んでしまいそうなところは、このお話にぴったりの道ということかも。

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by kiyotayoki | 2010-12-11 09:41 | 映画(ま行)