映画の心理プロファイル

『キック・アス』(2010 英・米)

心優しい殺し屋レオンが、もっと非情で、幼いマチルダに淡い恋心を抱いていなかったら、
そして、マチルダがもっとレオンのスキルを受け継ぐ才能を持ち合わせていたら、
この映画に登場するヒットガールみたいな小さな殺し屋がもっと早くに誕生していたかも・・・・
そんな妄想までたくましくさせてくれる映画でありました。

a0037414_16214887.jpg

原題:『KICK-ASS』(117分)
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン マシュー・ヴォーン
音楽:ジョン・マーフィ他
出演:アーロン・ジョンソン
   クロエ・グレース・モレッツ
   ニコラス・ケイジ
   クリストファー・ミンツ=プラッセ

2011年最初の(映画館で観た)映画はあちこちのブログでも評判になっているこの作品となりました♪

観た直後の感想はというと、
「イングロリアスバスターズ」「スパイダーマン」「ペーパームーン」のイイとこをざく切り、ミキサーにぶち込んでスイッチオン!
かなりスパイシーだけど激ウマジュースを作っちゃったなぁ、って感じでした(^_^)v。

本作に登場するスーパーヒーローは正邪合わせて4人。
1人目は、スーパーヒーローに憧れる平凡なオタク高校生デイヴ扮する“キックアス”。
ユニフォームはネット通販で買ったものだし、天賦の才能もパワーもない。
だけど、悪を許さないという一途な思いは誰にも負けないし、
一度大怪我をして体内に補強具を入れてもらったおかげもあってか案外打たれ強いのが持ち味。

2人目は、地元マフィアのボス、ダミコの軟弱な息子クリス扮する“レッドミスト”。
父親に認められたいクリスは、自ら買って出てキックアスをおびき出すため全身黒と赤のレザースーツで身を包み、正義のヒーローのフリをしてキックアスに近づきます。

そして残る2人は、ヒットガールとビッグダティの親子。
こちらは、前の2人と違って本格派です。スーパーヒーローとしてはバットマンタイプなのかな。
スーツの中は生身の人間なのだけれど、2人とも武術や銃器の扱いにかけては達人級なので、
並みの人間だと束になってかかってもかないっこない。
a0037414_16291935.jpg

この4人と、その周辺の人々が繰り広げる、バイオレントでかなりブラックな味付けのコメディドラマなのだけど、中でも際立ってるキャラがクロエ・グレース・モレッツちゃん演じるヒットガール。
父親に殺しのスキルを叩きこまれた11才の女の子が、悪人をスパスパザクッと斬り殺し、ズババババンと撃ち殺す。
その暴れっぷりは絵空事とわかっていてもちょいと鳥肌モノでありました(^^;

そんなヒットガールの引き立て役にはなっているけれど、
ビッグダディに扮するニコラス・ケイジがまたいい味出してる。
そりゃそうかな。
ニコラス・ケイジが筋金入りのコミック・マニアで、ずっと前からスーパーヒーローの役を切望していたってのは有名な話。
彼の芸名自体がマーベル・コミックの主人公(パワーマンのルーク・ケイジ)に由来しているらしいし、
息子には、『スーパーマン』にちなんだ“カル=エル”という名前をつけているほど。
そんなニコラス・ケイジですからね、この仕事のオファーが来た時は、もう二つ返事でOKしちゃったんじゃないだろうか。

a0037414_1002669.jpg

個人的にツボだったのは、このシーン。
『バットマン』では絶対見せない“マスクをかぶる前の隈取り(目の回りの塗装)の儀式”を堂々と見せちゃってる!
『バットマン』を見た人なら誰もが思う素朴な疑問
「マスクから覗く目の周りの肌が黒いのは、かぶる前にそこだけ塗装してるわけ?」
に見事に応えてくださった監督並びにニコジー、あんたはエライ♪♪

上手いなと思ったのは、この目の周りに墨を塗るという間抜けな行為を、日常(一般人としての自分)から非日常(スーパーヒーローとしての自分)へ変身するための必要不可欠の儀式として神聖化して見せてくれたこと。
歌舞伎役者が自ら隈取りをすることで、精神統一をし徐々に役に入り込んでいくように、ビッグダディも目の周りを黒く塗ることで自らをサイキングアップしていくのです。

続編も作られるらしいので、この強烈親子には是非再登場していただきたいものだけど、その願いは叶うだろうか・・・。

そうそう、監督のマシュー・ボーンは『X-MEN』最新作監督に決定しているんだそうな。
[PR]
by kiyotayoki | 2011-01-09 10:18 | 映画(か行)