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映画の心理プロファイル

『ハイ・フィデリティ』(2000 米)

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原題:『HIGH FIDELITY』(113分)
監督:スティーヴン・フリアーズ
原作:ニック・ホーンビィ
共同脚本:ジョン・キューザック
出演:ジョン・キューザック
    ジャック・ブラック
    イーベン・ヤイレ
    トッド・ルイーゾ
    ティム・ロビンス
    ジョーン・キューザック
    キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

意味も知らずに使っている言葉って案外多いもの。
この映画のタイトル『HIGH FIDELITY』が『hi-fi(原音にきわめて近い音)』のことだとは、さっき辞書を引くまで知りませんでした(^_^;)。

「あのさ、音楽と惨めさとどっちが先だと思う?惨めだから音楽を聴くのか、音楽を聴くから惨めになるのか」そう言って主人公のロブ(J・キューザック)がスクリーンのこちら側に語りかけてくるところから、このお話はスタートします(この後も、ロブは事あるごとにこちら側に語りかけてきます)。
ロブはシカゴの片隅で中古レコードショップを営む30代前半の音楽オタク。
そんなロブがなぜ冒頭のようなセリフを吐いたのかといえば、この日突然、同棲していたローラ(I・ヤイレ)が理由も告げずに家を出ていったから。

「ボクの今までの人生で心に残る失恋トップ5を年代順にあげていっても、ローラッ、君はそれには入らないからなぁ!」
去っていくローラに捨てゼリフを吐いたロブでしたが、なぜローラにフラれたのか気になり始めます。
ひょっとして自分には女にフラれる何か重大な欠陥があるのかも。
そこでロブは、過去に自分をふった相手に、それぞれその理由を聞こうと決心します。

だけど、仕事もちゃんとやらないとおまんまの食い上げ。
ロブは気を取り直して店に出かけますが、店でも問題は山積み。雇っている2人のバイトが2人共、ロブに輪をかけた音楽オタクで、デブのバリー(J・ブラック)などはせっかく来た客を趣味が合わないという理由で追い出す始末。もう1人のディック(T・ルイーゾ)は根暗で客に愛想がないけど、追い出さないだけまだマシか?
「あいつら、週3日の約束で雇ってるのに毎日来るんだぜ」
と、ロブは画面のこちら側にグチをこぼします。

そんな、情けないながらも、どこか憎めない等身大の万年青年ロブが、最愛の女性にプロポーズするまでをロックのリズムにのせて描く恋愛譚です。

この映画、案外、男性に人気があります。というのも、「情けないながらも、どこか憎めない等身大の万年青年ロブ」と自分がシンクロするから。
「これ、俺のことじゃん」「俺も似たようなことやっちゃったよ」と苦笑いしちゃうようなエピソードが詰め込まれてる。だから、思わず感情移入しちゃう。
人はやっぱり『類似性』のある相手に惹かれるんですね。
この映画の原作は、イギリスでベストセラーになったそうですが、読者の『類似性』を刺激して共感を呼ぶというのは本を売る鉄則のひとつなんでしょうね。
30過ぎても40過ぎてもフラフラしてる(と自戒してる)御同輩にはおすすめの1本です。
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by kiyotayoki | 2004-10-25 08:18 | 映画(は行)