映画の心理プロファイル

『ギャラクシー・クエスト』(1999 米)

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原題:『GALAXY QUEST』(102分)
監督:ディーン・パリソット
原作:デヴィッド・ハワード
出演:ティム・アレン
    シガニー・ウィヴァー
    アラン・リックマン
    トニー・シャローブ
    サム・ロックウェル
   
大好きな映画といえば、この作品も外せません。
とにかく、この10年で映画館(確か渋谷のシネクイント)に2度足を運んだのは、これ1本っきりなんですから。

タイトルの『ギャラクシー・クエスト』というのは、
1979年から82年までアメリカで放映されていた(ことになっている)テレビドラマのこと。
内容は、NSEA(宇宙捜査局)に所属する乗組員たちの活躍を描いたSFアドベンチャー。
早い話が『スタートレック』みたいな番組なんですね。
放送終了後約20年たった今も、トレッキーならぬクエスタリアンと呼ばれる熱狂的なファンがいて、
当時の出演者たちがサイン会でも開こうものなら全米からオタク少年やコスプレ大好き少女(もちろん大人も)が大挙してやってくるほどの人気。
そのおかげで、今や落ちぶれた俳優生活を送っている当時の出演者たちはなんとかメシを
食っていけているんですからファン様々のはずなんですが、
彼らにしてみれば20年も前の栄光だけで身過ぎ世過ぎをしていくのは屈辱以外の何ものでもないんですね。
だから、ファンの前では営業スマイルを忘れませんが、楽屋じゃ愚痴のオンパレード。
特に、ドクター・ラザラス役のアレックス(A・リックマン)は若い頃イギリスでシェイクスピア劇に出ていたこともあって、
自分用のトカゲヘッドの陳腐なカツラを見ただけで拒絶反応を示すほど。

「これでも昔はモテたんだぜ」とか「お笑いタレントの○○、あいつが売れない頃、俺ずいぶん面倒見てやったんだ」と、過去の自慢話をする人がよくいます。
これは心理学的にいえば『退行』と呼ばれる心理です。
現実の生活や仕事に不満があるのに、それをストレートに口に出すのはプライドが許さない。
だからつい過去の栄光に救いを求めてしまうのです。
昔の自慢話ばかりする人は、今が不遇だってことを吹聴しているようなものなんですね。アレックスがまさにそれ。

そんな、過去の栄光にぶら下がって営業スマイルでファンをさばいていた5人の前に、
一風変わったコスチュームに身を包んだ連中がやってきます。
彼らは、自分たちはネピュラ星雲に住むサーミアンという宇宙人で、今、
サリスという凶悪な宇宙人との戦いで絶体絶命の危機にある。だから助けて欲しいと訴えます。
タガート艦長役のマイケル(T・アレン)は冗談だと思って相手にしませんでしたが、実は彼ら、本物の宇宙人だったのです!
彼らは地球から発せられる電波を傍受し、テレビドラマの『ギャラクシー・クエスト』を、歴史ドキュメンタリーとして見ていました。
だから、宇宙の悪をこらしめる彼らならきっと自分たちも救ってくれると本気で信じていたんですね。
その熱意に負けてというか、無理矢理にというか、マイケル以下5人は、彼らの転送装置で宇宙に浮かぶプロテクター号に飛びます。
その宇宙船も、サーミアンたちがテレビで紹介された設計図そのままに造りあげたもの。スタジオのセットではなく本物です。
さて、落ちぶれ役者たちにサーミアン、そして宇宙を救うことなんてできるのでしょうか?!

あの『エイリアン』のシガニー・ウィヴァー(若い!)や『ダイハード』のアラン・リックマンが
コメディに挑戦してるってだけてもそそられるのに、実際に見てみると笑わせてくれるだけでなく、
目頭を熱くもさせてくれます。
レンタル・ショップで見かけたら是非!
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by kiyotayoki | 2004-10-29 09:50 | 映画(か行)