映画の心理プロファイル

『ビッグ・フィッシュ』(2003 米)

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原題:『BIG FISH』(125分)
監督:ティム・バートン
原作:ダニエル・ウォレス
脚本:ジョン・オーガスト
出演:ユアン・マクレガー
    アルバート・フィニー
    ピリー・クラダップ
    ジェシカ・ラング
    アリソン・ローマン
    スティーヴ・ブシェミ
    ダニー・デヴィート

ホラ話と聞いて、テリー・ギリアム監督の『バロン』(1989)みたいな映画かな
と思ったら、似通ったイメージはあるものの、父と息子の対立と和解のドラマ
ともいえるし、ファンタジーともいえる。現実とファンタジーが共存する良質の
ドラマに仕上がっています。

エドワード(A・フィニー)は、ホラ話が三度の飯より好きな男。
その息子であるウィル(B・クラダップ)は、小さい頃こそそれを喜んで聞いて
いましたが、繰り返し聞かされる同じ話に心底うんざり。
それでも我慢して聞き流していたウィルでしたが、自分の結婚式でまたもや
父親が耳にタコのホラ話をし始めるに至って、ついにプッツン。
「親父、ホラを吹くのもいい加減にしろ!」
以来3年、結婚して妻とパリへ移り住んだこともあり、ウィルは父エドワードと
絶縁状態にありました。

そんなウィルの元に、母のサンドラ(J・ラング)から国際電話がかかってきま
す。父エドワードが明日をも知れぬ命だというのです。
すぐに帰国を決断するウィル。
病床の父は、身体こそ弱っているものの、口は健在。ウィルの妻が楽しそうに
聞いてくれるのをいいことに、性懲りもなく若い頃の武勇伝を語り始めます。

若き日のエドワード(E・マクレガー)は何をやらせても村一番の伊達男。
身の丈5mはありそうな巨人が現れて村人たちを恐怖に陥れた時も、
率先して巨人と対峙し、なんと意気投合して一緒に都会へ行く話をまとめて
しまいます。
都会へ行く道中では、不思議な村に迷い込んだと思ったら、一目惚れした
女性の素性を聞き出すために奇人変人だらけのサーカス一座でただ働き・・・
と、エドワードのホラ話はエンドレスで続きます。

病的なまでに空想癖があり、架空の作り話をもっともらしく語る症候群を
『空想虚言症』といいます。話しているうちに本人もそれが真実だと思い込む
ところがこの症候群の特徴ですが、エドワードがまさにその典型例。

ですから、ウィルがいくら「俺は親父の本当の過去が知りたいんだ」と懇願
しても、エドワードは聞く耳を持ちません。
けれど、そんなホラ話さえ聞けなくなる日が確実に近づいていました。
死期が迫ってきたのです。

このお話、結末を書かないことには感動をお伝えできないのですが、
感動の涙でエンドタイトルが霞んでしまいそうな、そんなラストが用意されて
いるのは確かです。未見の方は是非!   
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by kiyotayoki | 2004-11-04 17:09 | 映画(は行)