映画の心理プロファイル

『海底二万哩』(1954 米)

子供の頃に観た映画って、記憶の残り方が違う。
頭の中の印画紙にくっきり鮮明過ぎるほど写し取られているので、
何十年も前の記憶なのに瞬時に思い出すことができるのだ。
ただ、すべてが写し取られているわけじゃなく、欠落した部分は白地になっているから、
思い出そうにも思い出せないのだけれど。

この映画、『海底二万哩』も、そんな映画の一本。
これを観ることができたのは、小学校時代のクラスメートY君のおかげだった。

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原題:『20000 Leagues Under the Sea』(127分)
監督:リチャード・フライヤー
原作:ジュール・ヴェルヌ
脚本:アール・フェルトン
音楽:ポール・J・スミス
出演:カーク・ダグラス
    ジェームズ・メイソン
    ポール・ルーカス

Y君は、当時熊本市内の目抜き通りにあった大劇という映画館のオーナーの息子で。
そのY君が、何かの拍子に、
「僕なら映画、タダで見せてやれるとばってんね~」と自慢し始めたのだ。
「なら、見せてよ~♪」と、周りにいた僕らは大合唱。

ちょっと困った顔をしたY君だったけど、自分から言い出した手前引っ込みがつかなくなったのか
「じゃあ、親に頼んでみるけん」と、きっぱり。

それから数日後の日曜日。
僕ら数人は、Y君に先導されて映画館の裏口から劇場内へ入ってった。
タダで観られるというワクワク感と、タダで観てしまうという罪悪感がない交ぜになって、
高鳴る心臓の鼓動が聞こえてきそうだった。

扉を開けると映画はもう始まっていた(明るいうちに入ると、目立つからという配慮だったのかも・・・)。

やっていたのは、ディズニー映画の『海底二万哩』(「にまんり」と記憶してたけど、これで「にまんマイル」と読ませていたんだね)。
ジュール・ヴェルヌ原作の海洋スペクタクルだ。
さきほど、“何かの拍子に”って書いたけど、「今やってるこの映画は面白そう♪」ってクラスで騒いでいたんだと思う。
それをタダで観せてくれるというんで、僕らは色めき立ったわけですね。

色めき立つわけです。だって映画の宣伝でさんざん見ていた写真のノーチラス号が動くところ、
巨大イカと闘うところを目の当たりにできるんだもの。しかもタダで。
とにかくワクワクドキドキの2時間だった。

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これを書くためにデータを調べてみて知ったことだけど、主演はカーク・ダグラスだったんだね。
それにジェームズ・メイソンも出ていたのか。
だけどこっちは小学生だもの、そんなおじさんたちは眼中にない。だから、ほとんど記憶に残ってない(;^^。
覚えてるのは、ノーチラス号の勇姿ばかり。
哀しい結末だったことぐらいは覚えているのだけれど・・・。

データを調べてもうひとつ驚いたことがあった。
この映画が作られたのは1954年だったんだね。
僕が観たのは、たぶん1965、6年ぐらいのはずなのに。
大劇は新作映画をかける映画館で、古い映画をみせる名画座じゃない。
えーっ、どうなってるんだろ。
じゃ観たのは『海底二万哩』じゃなかったのかしらん???
そ、そんなはずは・・・。
記憶がどこかですり替わっちゃったのか???


自分の記憶に自信をなくしかけた時、ある情報がヒットした。
なんとこの映画、1965年に日本でリバイバル上映されたらしいのだ。

ああ良かった。
記憶は間違いじゃなかったんだ♪

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『海底二万哩』のリメイク作が、『ソーシャルネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督の指揮の下、
作られているという噂だけど、さて、どんな作品になるんでしょう。
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by kiyotayoki | 2011-08-17 12:06 | 映画(か行)