映画の心理プロファイル

『恋におちたシェイクスピア』(1998 米)

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原題:『SHAKESPEARE IN LOVE』(123分)
監督:ジョン・マッデン
脚本:マーク・ノーマン
    トム・ストッパード
音楽:スティーヴン・ウォーベック
美術:マーティン・チャイルズ
衣裳:デザイン:サンディ・パウエル
出演:グウィネス・パルトロー
    ジョセフ・ファインズ
    ジェフリー・ラッシュ
    コリン・ファース
    ジュディ・デンチ

新聞に「ウソをつくと脳がフル回転」という記事が載っていました。
ウソをついている時のほうが、本当のことを話している時より多くの脳の部分
を使っていることが、米テンプル大などの研究でわかったんだとか。
つまり、ウソをつくのが上手い人ほど脳を有効利用しているということ。
作家が“見てきたようなウソ”を書き連ねられるのは、脳が普通以上に活性化
するおかげかもしれませんね。

中世の時代の作家といえば、まず思い出すのがシェイクスピア。
名作を幾つも世に送り出した作家だけに、その作品の多くが映画化されてい
ますが、この映画はシェイクスピア本人を描いている点が、他の映画とは
ちょっと違うところ。

映画の舞台は1593年のロンドン。この頃、シェイクスピア(J・ファインズ)は
町の二大劇場の一つローズ座の座付き作家として新作『ロミオと海賊の娘
エセル』という喜劇の台本を書くのに頭を悩ませていました。
この映画は、その着想が『ロミオとジュリエット』という、あの大名作になり、
劇場にかかるまでの顛末を恋を絡めて興味深く見せてくれるお話。

友人の女性作家に「私は恋愛をしないとモノが書けない」という人がいますが、
シェイクスピアも御同様らしく、筆が止まっているのはどうも最近いい恋愛をして
いないからのようです。
そうした悩みをシェイクスピアが町の精神分析家に打ち明けるシーンがありま
す。もちろん精神分析が世に普及するのは20世紀に入ってからですから、この
時代にあるはずはありません。お遊びで現代的な味付けをしてみたんでしょう。

そんなシェイクスピアの筆が急に進み始めます。
それはもちろん恋をしたから。
恋の相手はレセップスという貴族の令嬢ヴァイオラ(G・パルトロー)。
ヴァイオラをシェィクスピアに引き合わせたのは、新作のオーディションにやって
きた若者トマス・ケント。でも実は、このトマス君、ヴァイオラの仮の姿だったの
です。
芝居好きのヴァイオラはシェイクスピアに憧れており、女子禁制のステージに
上がるために男装をしてオーディションを受けにきたのです。
相思相愛ですからシェイクスピアとヴァイオラが恋に落ちるのは簡単でした。
しかし世の中そうは甘くありません。
ヴァイオラには親が決めた婚約者がおり、アメリカへ旅立つ日が近づいていまし
たし、ローズ座もシェイクスピアも借金漬けで督促に追われる日々。
そのうち、密告によってトマスが女性であることが官憲の知るところになり、
劇場が閉鎖される事態に。
さあどうするシェイクスピア。また2人の恋の行方はどういう展開を見せるので
しょうか。
この年のアカデミー作品賞、主演女優賞など7部門を獲得した作品だからと
いうわけではありませんが、見る価値のある作品であることは確かです。
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by kiyotayoki | 2004-12-05 11:30 | 映画(か行)