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映画の心理プロファイル

『遠い空の向こうに』(1999 米)

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原題:『OCTOBER SKY』(108分)
監督:ジョー・ジョンストン
脚本:ルイス・コリック
    ホーマー・ヒッカム・Jr
出演:ジェイク・ギレンホール
    クリス・クーパー
    ローラ・ダーン
    クリス・オーウェン

よくおじゃまするブログサイトで軒並み評価の高かった作品です。
やっと観ることができました。
これやっぱり、もっと早く観ておくんでした。

頼まれ仕事でここ数年、専門学校で映画を教材にした心理学の講座をもって
るんですが、初っぱなの講義は「キミの脳を天才脳にする方法」ってタイトル
でやることにしています。
タイトルは仰々しいんですけど、その方法は超シンプル。
「面白がること」、それだけ。
ヒトの脳って、面白がれば面白がるほど活性化するようにできてるものらしい
んです。
学生時代、数学の成績がかんばしくなかったんで、成績のいい友達を見ると
「やっぱ頭のできが違うのかなあ」って劣等感を覚えたものですが、実は
そうじゃなかったんですね。
成績の良し悪しは、頭の構造の違いじゃなくて、面白がれるか面白がれない
かの違いであると。
数学の成績が悪いのは、面白がれないから。すると脳は活性化しないから、
いくら時間かけても全然頭に入らない。
数学の得意な人は、数式を解くのが面白くって仕様がない。すると脳が活性
化するからどんどん解ける。だから益々面白くなって成績も上がる。
つまり、面白がることさえできれば、誰だって脳を天才的に働かせることがで
きるってこと!
そういえば昔から言いますものね、“好きこそものの上手なれ”って。
面白がることさえできれば、自分の力ですごい未来を切りひらくことだって夢
じゃないってこと。
それを実践してるのが、この映画の主人公。しかもこの映画、実話です。

1957年の10月のある夜、17歳のホーマー(J・ギレンホール)はウエストバ
ージニア州の炭坑の町コールウッドである歴史的な出来事を目撃します。
それは星空をスーッと横切っていく小さな白い点でしたが、それこそがソ連が
世界で初めて打ち上げた人工衛星スプートニクの軌跡だったのです。
それを見てホーマーは決心します。「ボクもロケットを作る」と。
ホーマーは遊び仲間2人に数学の得意ないじめられっ子クエンティンを加えた
4人でロケット作りに熱中します。
作って飛ばすのが面白いから、どんなに失敗したって、父親のジョン(クリス・
クーパーが熱演)の反対にあったってめげません。
めげないどころか、それまで苦手だった数学さえ軌道の計算をするのが面白
いものだから自然に得意科目になってしまいます。
物語は、そんなホーマーが現実の厳しさをイヤというほど味わいながらも夢を
実現し、頑固な、でも男気のある父と和解するまでを感動的に綴っていきま
す。目頭じんわり、そして心が温か~くなる映画です。
初回の講義の教材にぴったりの作品ですし、来年の春から始まる講座では
是非使ってみいたいなぁ。  
by kiyotayoki | 2004-12-20 18:38 | 映画(た行)