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映画の心理プロファイル

『ドラゴン・タトゥーの女』(2011 米)

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マレーシアを旅行中に、テレビで『ソーシャル・ネットワーク』をやっていたので、
思わず見入ってしまった。特に、オープニングのシーンを。
というのも、この『ドラゴン・タトゥーの女』でパンクなタトゥー女リスベットを演じた
ルーニー・マーラーが“いかにもコンサバなお嬢様女子大生”というまるで違う役柄で
出ていたからだ。

いやあ、さすが女優、変われば変わるもんです。


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原題:『THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO』(158分)
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:スティーグ・ラーソン
脚本:スティーヴン・ザイリアン
音楽:トレント・レズナー アッティカス・ロス
出演:ダニエル・クレイグ
    ルーニー・マーラ
    クリストファー・プラマー
    ステラン・スカルスガルド

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ちょっと見た目には、ハリセンボンの箕輪はるかにも見えてしまうほどの変貌ぶり。
原作は読んでいないけれど、リスベットは「背中にドラゴンのタトゥーを入れた、少年と見紛うような小柄な女性」という設定らしいので、役作りのためにかなりダイエットをしたのではないだろうか。

24歳の凄腕のハッカーであるリスベットは、
その腕を買われて、40年近く前の迷宮入りの失踪事件を調査中のミカエル(D・クレイグ)の助手をつとめることになる。
けれど、その過去や現在置かれている立場は舞台となるスウェーデンの薄暗い白夜の世界のように不透明だ。
原作にも描写はあるのだろうけれど、フィンチャー監督はそんな彼女の人となりをその姿や立ち振る舞いで
表現してくれている。
アシンメトリーな髪形もそうだし、体のあちこちに不規則に穴を空けてつけられているピアスもそう。
そして何か事あるこどに体に刻み入れるタトゥーが、リスベットという、天使的で悪魔的な個性を、充分過ぎるほどあらわしてる。

そんな強烈な個性の上に行動力も持ち合わせた女性だけに、さしものダニエル・クレイグも影が薄くなりがちだったけれど、
なんとか踏みとどまって主役の座を死守したのはさすが。

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お話としては、このまま舞台を日本に移したら横溝正史の世界になってしまうんじゃないかと思うほど、
お話が進めば進むほど名家にまつわる血ぬられた過去がこれでもかと描かれていく。

ややこしいのは、登場人物の名前だ。
例えば、主人公ミカエルの苗字はブルムクヴィストだし。
そのミカエルに仕事を依頼するのはヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)。
その弁護士はディレク・フルーデ・・・
と、スウェーデンが舞台だけに聞き慣れない名前ばかり。
だから、前半はその名前や人間関係を把握するだけでひと苦労だった(;^^

それでも2時間半という長丁場でミステリアスな緊張感を緩ませることなく持続させるあたりは、さすがフィンチ監督。
ほろ苦いエンディングも個人的に好印象だった。


そうそう、
ソニー・エンターテイメントの作品なのに、
ふたりが使っているパソコンはそろいもそろってアップル社製。
これ、原作がそうなっているからかしらん???


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by kiyotayoki | 2012-03-07 22:13 | 映画(た行)