「ほっ」と。キャンペーン

映画の心理プロファイル

『ヒューゴの不思議な発明』(2011 米)

今年のオスカーを5つ(小さいのばかりだけど^^ゞ)受賞した話題作を鑑賞。
映画愛にあふれた作品で、映画史に明るい人なら「おおっ♪」と目を輝かせるシーン満載の映画でありました。

a0037414_18182611.jpg

原題:『HUGO』(126分)
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ブライアン・セルズニック
脚本:ジョン・ローガン
音楽:ハワード・ショア
出演:ベン・キングズレー
    ジュード・ロウ
    エイサ・バターフィールド
    エミリー・モーティマー

1895年、リュミエール兄弟がパリのグランカフェで映写会を催したのが映画史の始まりだといわれてる。
この映画の中にも、それを再現したようなシーンが出てくるし、
実際その時上映された「ラ・シオタ駅への列車の到着」の映像も流される。
当時の人たちは、それだけで驚き、列車に轢かれないように身を避けようとまでしたというんだから、可愛いものです。



そんな迫力(?)の映像を観て大感激、
自分も映画を撮ってみたいと映写機まで自作して製作に乗り出したのが、
この映画にも登場するジョルジュ・メリエスだったというのは、今回初めて知ったことだった。
メリエスさんって当時は、マジシャンを本業になさってたんだね。
なので、舞台で披露するイリュージョンを、今度はスクリーンで見せて観客の度肝を抜きたいと考えたみたい。
そして、たった7年で特撮満載の映画『月世界旅行』を発表したんだからこれはスゴイの一語!
リュミエール兄弟の映画なんて、単なる動く映像だったのにね。



映画の中でメリエスの奥さんが言ってたけれど、作品がカラーなのは、
「自分たちでフィルム1枚1枚に着色をした」からなんだそうな。
その徹底したサービス精神は表現者の鑑です。

お話は、それから四半世紀ほど経った1930年代のパリから始まります。
たった一人の肉親である父(ジュード・ロウ)を亡くした少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、
時計の整備をしながら孤独な毎日を送っております。
少年の心のよりどころは、父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形(オートマタ)”。
その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは、機械に必要な部品を手に入れようと駅構内のおもちゃ屋で
万引きを働こうとするのだけれど、店主の老人に捕まり、人形について書かれた大切な父の研究ノートも
取り上げられてしまう。
そんな中、ヒューゴは老人の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが…
といったお話なのだけど、
予告編を見てイザベルを演じているのが『キック・アス』でヒット・ガールを演じたクロエ・モレッツだと知って
観る前から期待と不安が入り交じっておりました。
だってかなり成長しちゃってるものなぁ。
『キック・アス』の頃はまだ子供子供していて、そのやんちゃぶりが魅力のひとつだったのだけど、
この映画の撮影時はもう14歳になろうという歳だったろうから、かなり大人びてる。
この年頃の1歳の違いは大きい。
できればこの映画、クロエちゃんの幼さを残すために一年前に撮影を開始して欲しかったというのが正直な感想だった。

a0037414_12571570.jpg

実家が時計屋で、幼い頃から時計の歯車やゼンマイが遊び道具のひとつだったせいか、
この映画のように大きな時計塔の歯車とゼンマイだらけの内部で暮らす主人公という設定は
それだけでヨダレが出てしまう。
しかも、なんともうすぐ90歳になられるクリストファー・リー翁のお元気な姿まで拝見することができたのだから
もっとテンションが上がってもよかったのだけど、
如何せん・・・
フランスのパリが舞台なのに、いきなり「ハロー」だものなぁ。
大きな歯車がパリの夜景にオーバーラップしていくオープニングがステキだっただけに、
「ハロー」で一気に興ざめしてしまった。
しかも、わりとこぢんまりとしたお話なのに、126分は冗長に感じたな。
せっかく、ピエロ役(くすぐり担当)として個性派のコメディ俳優サシャ・バロン・コーエンが起用されているのに、
ドタバタが笑いに昇華しきれていないのも残念。

スコセッシ監督には申し訳ないけど、この映画、
フランスで製作して、もっとエスプリを効かせて、100分ぐらいにまとめたら
傑作になったかもしれないのにな。

とはいえ、闘いや殺し合いの場面が目立ついまどきのファンタジーとは違い、
心温まる一編であったことは確かです。

a0037414_1438177.jpg

[PR]
by kiyotayoki | 2012-03-05 14:38 | 映画(は行)