映画の心理プロファイル

『グリーン・デスティニー』(2000 米・中)

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原題:『CROUCHING TIGER HIDDEN DRAGON』
    (120分)
監督:アン・リー
原作:ワン・ドゥルー
音楽:タン・ドゥン
    ヨーヨー・マ
出演:チョウ・ユンファ
    ミシェル・ヨー
    チャン・ツィイー
    チャン・チェン

今年ももう大晦日になってしまいました。早いものです、まったくぅ。
04年の最後はどの映画にしようかなと思いましたが、思い入れというよりは
ネタ先行で選んでしまいました。
この映画、アカデミー賞外国語映画賞他4部門をとるなどアメリカでの評価が
高かっただけに日本でも期待をもって迎えられましたが、観劇後の感想はと
いうと知人の間でも賛否両論でした。
「剣の達人達の激闘をこんなに美しく詩情豊かに描いた作品は見たことない」
と激賞する人もいれば(これは納得)、
「いくらなんでも飛びすぎ。中味もないし、収穫はチャン・ツィイーだけ」
と落胆した人も(こちらもちょっと納得)。
で、アメリカであんなに評価が高かったのはなぜなんだろうと思っていたら、
ある本(「くちコミ マーケティング」日本能率協会マネジメントセンター刊)に
「へえ、そうだったの」ということが書いてありました。
それによると、この映画が当たったのは周到な「くちコミ」戦略が功を奏したか
らだというのです。
配給元ではこの映画の未編集フィルムを観た時点で評価は高かったものの、
監督も出演者もまだ知名度が低く、中国語というハンデもあったため、プロモ
ーションには金はかけられないと判断。その低予算の中で最大限の効果を
あげるためにとられた方法が「くちコミ」だったのです。
それでどうしたかというと、格闘技映画、アクション映画、恋愛映画、外国映
画の要素を含んだこの映画をアピールするために、それぞれ空手ファン、ア
クション映画ファン、女性、外国映画ファン、ティーンエイジャー、ニュースキ
ャスターなどターゲットごとに試写会を上映。しかも招待客は空手スクール
などに所属している人、女性向けスポーツ誌の購読者など「くちコミ」を周囲
に派生させる影響力のある人に限定。
この戦略が見事に当たり、クチコミで「面白い」という噂が全米に広がり、当初
はアートシアター系の単館契約だったのが、全米700館以上での上映になっ
たっていうんですね。
アメリカでは「噂」や「くちコミ」に関しては心理学者のオルポートなどが昔から
盛んに研究しており、それが広告でも随分と活用されているんですね。

考えてみれば、このブログも「くちコミ」で輪が広がっていくコミュニケーション
ツールといえますね。
このブログにアクセスしてくださってる皆さん、コメントを寄せてくださった皆さん
ありがとうございました。来年もどうぞよろしく。
では、よいお年を! 

       
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by kiyotayoki | 2004-12-31 11:10 | 映画(か行)