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映画の心理プロファイル

『ポーリー』(1998 米)

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原題:『PAULIE』(91分)
監督:ジョン・ロバーツ
脚本:ローリー・クレイグ
特殊効果:スタン・ウィンストン
出演:ハリー・ケイト・アイゼンバーグ   
    ジーナ・ローランズ
    チーチ・マリン
    トニー・シャルーブ
    ブルース・デイヴィソン

「鳥」といえば、昨年末の深夜、TVでこんな映画をやっていたんでした。
ポーリーというのはオスのオウムの名前。
名付け親は幼い飼い主マリー(H・K・アイゼンバーグ)。
オウムなのでポーリーはおしゃべりが得意です。でも、フツーのオウムのよう
に人間の言葉をマネるのではなく、自分の意志でおしゃべりしてしまう不思議
なオウム。
彼が言葉をしゃべるようになったのはマリーのため。
言葉がうまく出てこないマリーのために、言葉の先生を買って出たのです。
ヘレン・ケラーとサリヴァン先生みたいな関係ですね。
そんなこととは知らない両親は、「娘が言葉をしゃべれないのはオウムとばか
り遊んでいるからだ」と思い込み、ポーリーを遠くへ手放してしまいます。

生活が一変してしまったポーリーは、マリー会いたさにカゴから逃げ出し、
マリーのもとへ帰ろうとしますが、さて、どこをどう探していいものやら。
ここからポーリーのマリー探しの長~い旅が始まります。
その間には、いろんな人間との出会いがあります。
例えば、『グロリア』のジーナ・ローランズ扮する孤独な初老の旅人、
チーチ・マリン扮するオウムサーカスの団長、トニー・シャブール扮する清掃員
ブルース・デイヴィソン扮する動物学者などなど。心優しい人もいれば、欲にか
られた自己チュウ人間もいます。映画はポーリーの目を通して、そんな色とり
どりの人間模様をカラフルにスケッチしていきます。

昨年、日ハムファイターズの新庄がゴレンジャーに扮し球場に登場して話題
になりましたが、あれは確か黄レンジャーでしたよね。
黄色は希望を表す色ですが、幼児性を表す色でもあります。あのパフォーマン
スは新庄の心情がそのまま色に表れていた感じがしました。
ポーリーもオウムのサーカスで黄色いメスのオウムと恋をします。マリーを
探しあぐねて疲れていたポーリーの目には、黄色いメスのオウムは希望その
ものに映ったかも(オウムが色盲じゃなければの話ですが)。
恋をしたポーリーは、まるでマリーのことを忘れてしまったかのようでした。
黄色に触発されて幼児性を取り戻し、オウムの仲間達と楽しく暮らせれば
それでいいかもという気になったんでしょうか・・・。

色は人の心を映す鏡のようなもの。
試しに色鉛筆でラクガキをしてみましょう。
その色にあなたの今の心情がきっと表れているはずですから。

そうそう、「鳥」で思い出す映画は、あと3本ばかりあります。
ひとつはsamurai-kyousukeさんの記事を読んで、また見てみたいと思った
『終身犯』(1961)。ジョン・フランケンハイマー監督、バート・ランカスター主演
の映画。独房暮らしの終身犯とスズメのふれあいを描く作品です。
それからヒッチコック監督の『鳥』(1963)。これは説明不要ですよね。
もう1本は『バード・シット』(1970)。ロバート・アルトマン監督が『マッシュ』
の後に撮った作品ですが、まだビデオ化されていないみたいで、再び見ること
がなかなかできずにいます。
by kiyotayoki | 2005-01-10 12:40 | 映画(は行)