映画の心理プロファイル

『カラー・オブ・ハート』(1998 米)

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原題:『PLEASANTVILLE』(123分)
監督・脚本:ゲイリー・ロス
視覚効果監修:クリス・ワッツ
色彩効果:マイケル・サザード
音楽:ランディ・ニューマン
出演:トビー・マグワイア
    リース・ウィザースプーン
    ジョーン・アレン
    ジェフ・ダニエルズ
    ウィリアム・H・メイシー
    ドン・ノッツ
    J・T・ウォルシュ

『スパイダーマン』で一躍ビッグスターの仲間入りをしたトビー・マグワイアって
てっきり子役出身だと思っていたんですが・・・・。
この映画でトビーはディヴィッドという高校生を演じていますが、撮影当時は
22歳。『スパイダーマン』でも最初は高校生役でしたし、若く見えるタイプな
んでしょうね。デビュー作の『ボーイズライフ』の時が17、8歳。
子役といえるかどうか、微妙~。

お話は、50年代のTVドラマ『プレザントヴィル』の世界に迷い込んでしまった
高校生兄妹の冒険を描いた、ひと味違う異世界ファンタジーです。
兄妹といっても、彼らは双子(二卵性双生児)。兄のディヴィッドはTVドラマ
おたくの地味な若者。一方、妹のジェニファーは男とのデートしか頭にない
コギャル風の女の子。双子といっても、性格も趣味も正反対。
そんな2人が、突然やってきたテレビ修理のおじさんにもらった特製リモコン
のせいで、たまたま再放送中だった『プレザントヴィル』の中へ吸い込まれて
しまうのです。
『プレザントヴィル』は50年代に作られたTVドラマだけにモノクロの世界。
しかも品行方正・善良無垢な世界。犯罪もなければ、悪人もいない。
消防署はあっても火事はないから消防士たちの仕事は木から降りられなく
なった猫の救助のみ。
若者たちの男女交際もデートで手をつなぐのがやっという純情ぶり。
そんな世界に90年代後半の若者がやってきたのですから、さあ大変。
ディヴィッドはまだしも、ジェニファーは渋谷センター街を闊歩してそうな女の
子ですから、その影響力・破壊力は超ド級。
琵琶湖の魚を食い荒らす外来種のブラックバスのように、平和な町の秩序
を破壊し始めます。
ここで面白いのは、ジェニファーたちの影響を受けた相手や物に色がつき始
めるところ。
最初に色づいたのはバラの花。
モノクロの世界が一点だけ赤く染まるそのシーンはとても印象的。
赤は、力があふれ出ようとするエネルギーの色。
これから起こることを予感させるような色です。
ジェニファーにセックスを強要された男の子も心が色づくと同時に体全体が
カラー化してしまいます。
そんな風にして、モノクロの世界はどんどんカラー化。
普通、異世界に入り込んだ主人公は異世界の生物や人類に怖い目にあわさ
れるのが常。でも、ここでは逆!主人公たちがエイリアンと化すのです。
そこがこの映画の面白いところ。
町のカラー化に危機感を抱いた保守的な人々は徒党を組んで、今度は
“有色人種狩り”を始めます。このあたりからお話はちょっとシリアスに・・・。
さて、2人の、そして、善良な町「プレザントヴィル」の運命や如何に。

監督のゲイリー・ロスは、名作『ビック』の脚本を書いた人。なるほど彼らしい
作品かも。この後、またトビーを起用して秀作『シービスケット』(2003)の
メガホンをとることになるんですね。これからも要注目の監督さんです。

   
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by kiyotayoki | 2005-01-27 20:00 | 映画(か行)