映画の心理プロファイル

『コロンビアーナ』(2011 米・仏)

リュック・ベッソンが製作と脚本を担当しているだけに、
『レオン』と『ニキータ』を足したり引いたり、かけたり割ったりしたような作品でした。
監督は、『トランスポーター3』のオリヴィエ・メガトン。凄い苗字だなと思ったら、この人、8月6日生まれ、
つまり広島に原爆が投下された日が誕生日。それでこんな“またの名”を付けてしまったようなのです。
その名に何らかの主張がこめられているのか、それとも単なる洒落なのかは不明だけど。

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原題:『COLOMBIANA』(108分)
監督:オリヴィエ・メガトン
脚本:リュック・ベッソン ロバート・マーク・ケイメン
音楽:ナサニエル・メカリー
出演:ゾーイ・サルダナ
    ジョルディ・モリャ
    レニー・ジェームズ

『レオン』では、家族を殺され復讐に燃えるマチルダがレオンの下で殺しのテクニックを学んでいったけれど、
レオンが非業の死を遂げたこともあり、その後のマチルダがどんな人生を歩んだかは不明のままだった。
本作は、『レオン』の続編ではないけれど、マチルダと同様に家族を殺された少女カトレアのその後を描くことで、ベッソンさん、その落とし前をつけた感じ。

お話は、1992年、コロンビアの首都ボゴタから始まる。
丘にへばりつくように密集する住宅街に当時9才のカトレアとその両親の住む家もあった。
そこに突然、武装した一団が乱入、家族を血祭りに上げる。
そのくだりの描写は『レオン』で丁寧に描いているせいか、本作では極力簡略化されている。
カトレアの両親は、麻薬組織の幹部。その内部抗争で粛清されたようだ。

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生き残ったのはカトレア一人。可憐な少女を演じているのは、アマンドラ・ステンバーグちゃん(撮影時は11才位?)。
大きくなったら美人になりそうな女の子だ。この子が映画『ヤマカシ』で有名になった例のパルクールの技を使って追っ手から逃げ切るシーンがオープニングのハイライトになっておりました。


物語は一気に15年後へ。
シカゴの親戚の家に逃げ延びていたカトレア(ゾーイ・サルダナ)はすでに女殺し屋として仕事をこなしてる。
それもこれも、両親を惨殺した組織に復讐するため。
実は親戚の家も闇社会に属しておりまして。カトレアは、街を牛耳るボスである叔父を説得して、その道のプロになるべく特訓を受け、腕を磨いてきたのです(そのくだりも『レオン』である程度描いているせいか、大胆にカットされてる)。
女殺し屋としての仕事ぶりも、細身でしなやかな体つきのゾーイ・サルダナの魅力が最大限に
活かされていてソー・クール!
このあたりまでは、文句なしだったんだけどな。

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カトレアは、ただ叔父が依頼する殺しの仕事を黙々とこなしているわけじゃなかった。
死体にカトレアの文様をのこすことで、いつか自分の存在が復讐する相手にも伝わるように細工してた。
カトレアって花は中南米が原産地で、コロンビアでも“国花”に指定されているんだってね。
だから、その花の文様から敵が自分の存在を知り何か手を打ってきたら、
それを好機に変えて復讐してしまおうと考えたようなんだけど・・・。
そんなまだるっこしいことをするより、他に手はいくらでもあっただろうに。

それに、よしんばそれで敵がカトレアの存在を知り、自分たちが取り逃がした娘が復讐の牙を研いでると知ったら、
奴等だって馬鹿じゃない。
カトレアの居場所をつきとめるためにシカゴの親戚たちに狙いをつけるのは火を見るより明らか。
なのにそれに対する備えや防御は一切なし。叔父さん任せ。
それでいいの?カトレア。
あんたのしてることは、お母さん代わりに育ててくれたお婆さんや叔父さんの命を危険に晒すことになるんだよ。
そんなことさえわからないカトレアって・・・どうよ。
カトレアって頭もいいし、ファミリーを大事にしてるし、そんなお馬鹿なパーソナリティには見えないんだけどな。
せめて、防御は十全にしていたのに、敵は一枚も二枚も上手だったって展開にしてくれなきゃ。

これはカトレアが悪いんじゃない。
脚本が悪いんだ。
ベッソンさん、あなたの責任です。

ゾーイ・サルダナはカッコよかったし、
ラストもバッチリ決まってたのに、ホントに残念。
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by kiyotayoki | 2012-09-11 14:21 | 映画(か行)