ドラマ『メンタリスト』の中で披露された読心術
今日は、前回書いた米国製のテレビドラマ『メンタリスト』の記事の続きです。
『メンタリスト』の主人公、パトリック・ジェーンは今はCBI(カリフォルニア州捜査局)のコンサルタントとして捜査に協力していますが、かつてはメンタリストとしてマスコミにもてはやされ広く名を知られていた人物。
それだけに、時々、DaiGoばりの読心術を披露することがあるのだけれど、今回はそのひとつをご紹介。
ジェーンは仲間の女性捜査官を目の前に立たせると、まずこう言います。
①「じゃ、目の前にテレビのような四角いスクリーンを思い浮かべてくれるかな」
そう言って指で四角い枠を描いてみせます。
②「その四角い枠の中に、何か簡単な図形を描いてもらいたいんだ。
正方形でもいいし、そうじゃなくてもいい。
イメージできたかな?」
③「じゃそれはそのままで、 次に、いま描いた図形をひと回り大きな別の図形で囲ってみてほしいんだ。
うまく囲えたかな?」
④「それでは、思い描いた図形に意識を集中して、その図形のイメージを僕のココ(おでこを指さす)に
送ってくれる?心を開いて、さあ、僕に送って!」
そう言うと、ジェーンはその念波をさも受け取ったような顔をして、
⑤「うん、見えたぞ。キミが思い描いたのは“丸の中に三角形がある図形”だね」
図星だったので、女性捜査官はびっくりしてしまうのだけど、
これは簡単だけどよくできた読心術パフォーマンスだと思う。
ジェーンのテクニックを順に見ていくと、
①横長の枠をイメージさせることで、相手の意識をそこに集中させやすく誘導している。
②「簡単な図形」、「正方形でもいいし、そうでなくてもいい」と指示することで、心理的に正方形を
イメージさせにくくしている。また、正方形という例を出すことで、正方形と同じように直線で描けて、
しかも「単純な図形」を思い描くように相手を誘導している。
だから、「◯」はイメージしにくく、シンプルな「△」をイメージしやすくなる。
③「囲う」というと、人は「◯」で囲ってしまいがち。
④結果、かなりの確率で「丸の中に三角形がある図形」になってしまう。
また、ここで意外と重要なのが、雰囲気作り。「イメージを送って」というくだり。
いかにも心を読んでいるという雰囲気を出すことで、相手をその部分に注意を向けさせる。
すると、注意がそれて誘導的なメッセージに気づかれにくくなる。
このパフォーマンスは、内向的(心のベクトルが内側に向き、自分に関心が強く、頑固)な人より
外向的(心のベクトルが外側を向き、他人に関心が強く、順応的)な人を選んで行ったほうが当たる確率が高くなるようです。
チャンスがあったら、試してみてはいかがでしょう。