映画の心理プロファイル

『殺したい女』(1986 米)

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原題:『RUTHLESS PEOPLE』(96分)
監督:ジェリー・ザッカー
    ジム・エイブラハムズ
    デヴィッド・ザッカー
脚本:デイル・ローナー
音楽:ミック・ジャガー他
出演:ダニー・デヴィート
    ベッド・ミドラー
    ジャッジ・ラインホルド
    ヘレン・スレイター
    アニタ・モリス
    ビル・プルマン

まずは昨日、勝手に宿題にしてしまったことから。
「なぜ人は美形を好む一方で異形にもそそられるか」です。
興味のある方は「More」をクリックしてみてください。 



まず、異形の人は自分が異形であることを認めている。ある意味、達観して
いる。だから、自分を飾りません。隠しても仕様がないから、オープンにさらけ
出します。実は、それが大きな魅力になるんです。
なまじっか見た目がいいと、自分のイヤな部分を知られたくないのですべてを
オープンにさらけ出すことができません。心を閉じて、建前の自分で人と付き
合おうとします。

じゃ、心を閉じている人と開いている人がいたら、どちらが話しやすいでしょう。
もちろん、心を開いている人ですよね。
そう、異形の人は自分をさらけ出している分、話しやすい雰囲気を持っている
んです。しかもそういう人と話をしていると、こちら側も心を開くようになります。
そして、オープンじゃなかった自分が恥ずかしくなる。
自分はなんでこんな些細なことにこだわってたんだろうって。

そう考えると、「美女と野獣」のカップルが生まれるのも、うなずけます。
美女はその美しさがアダとなって、自分の負の部分を知られたくないという
思いが強いもの。その自意識の強さが愚かしいことであることを野獣の彼
に気づかされちゃう。そして、そんなことに囚われない彼に魅力を感じるし
信頼を寄せてしまう。
心を閉じてカッコいい所だけで勝負しようとしているボクらは、そんなこととは
知らないから「なんで?」とクビをひねるばかり・・・ってことに。
モテない野獣君は自分の野獣ぶりにこだわって心を閉じているからなのでは。
異形の怪優に魅力を感じるのも、外見だけでなく、かれらのオープンな心に
惹かれるからではないでしょうか・・・。

この映画にも、自分の恥部を平気でさらけ出す、愛すべき怪女が登場します。
ベット・ミドラー扮するバーバラがその怪女。
財産家で、亭主のサム(D・デビート)から「(あの無抵抗主義の)ガンジーだっ
て絞め殺したくなる女」と言われてしまうよーな憎々しくもふてぶてしい女房を
快演しています。
実際、サムはバーバラを殺して財産を独り占めにし、愛人と再婚しようと企ん
でいました。
ところが、殺す前にバーバラが誘拐されてしまうのです。
誘拐犯から脅迫電話をもらったサムは嘆くどころか大喜び。
身代金を払わず放っておくだけで勝手に殺してもらえるんですから、これほど
うまい話はないってワケです。
一方、誘拐されたバーバラはというと地下室に閉じ込められてはいるものの、
気の弱そうな誘拐犯の夫婦(彼らはサムにデザインを盗用された恨みがあっ
たのです)をアゴでこき使いながら、暇つぶしにせっせとダイエットに励むとい
う、ある意味充実した日々を送っていたのでした。

この作品、先日ご紹介した『トップ・シークレット』(1984 米)と同じ3人組ZAZ
の手によるドタバタコメディですが、珍しくギャグ先行ではなく、ストーリィ先行
なのでコメディドラマとしても十分楽しめる作品に仕上がっています。
だから、ベタなアメリカンギャクにはウンザリという人にもお薦めできる1本です。
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by kiyotayoki | 2005-03-04 13:17 | 映画(か行)