映画の心理プロファイル

『カッコーの巣の上で』(1975 米)

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原題:『ONE FLEW OVER THE 
    CUKOO’S NEST』 (129分)
監督:ミロス・フォアマン
原作:ケン・キージー
脚本:ローレンス・オズボーン
    ボー・ゴールドマン
出演:ジャック・ニコルソン
    ルイーズ・フレッチャー
    マイケル・ベリーマン
     ウィル・サンプソン
    ブラッド・ドゥーリフ
    クリストファー・ロイド
    ダニー・デヴィート

記憶がちょっと曖昧ですが、アメリカのある新聞記者が心を病んだフリ
をして精神科を受診してみたところ、かなりの確率で「精神異常」だと
診断されたのだそうです。
それだけ正常と異常を分けるのは難しいということでしょうが、この映画
は、そもそも正常って何?何をもって異常とするの?・・・・と、見る私た
ちに問いかけてくる作品でもあります。

主人公ランドル・P・マクマーフィーは、正常と異常の診断の曖昧さを突
いて(つまり精神異常を装うことで)労働のきつい刑務所からオレゴン州
立精神病院へ移送されてきます。
そんな、ずる賢くて、ワガママで、何より束縛を嫌う男マクマーフィーを
怪優ジャック・ニコルソンが水を得た魚のように演じています。

強制労働のある刑務所と比べればカッコーの巣(精神病院)は天国・・・
と思っていたマクマーフィーですが、当てが外れてしまいます。
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というのも、病院内は絶対権力者であるラチェッド
婦長の下、理不尽とも思える管理体制が敷かれ
ていたからです(演じているルイーズ・フレッチャ
ーはこの演技で主演女優賞を獲得しています)。
そんな院内で生気のない生活を送る患者たちに
驚いたマクマーフィーは婦長と対立しながら、彼
らに生きる喜びを与えていくことになります。
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それにしてもスゴいのは患者たちの顔ぶれです。
スゴいというのはビッグネームがそろっていると
いう意味ではないんですよ。キャラが濃いという
か、独特というか。初めてこの映画を見た時は
「おいおい、本物じゃないの?」と思ったほど奇々
怪々なキャラがぞろぞろ登場するんですから。
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とんがり頭のM・ベリーマン。ビョーキ顔のV・スキャ
ベリ。いかにもひ弱そうな若者B・ドゥーリフ。
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それから、今やビッグネームの
C・ロイドにD・デヴィート。
まさに怪優のオンパレード。
怪優フェチ(自分のことかい?)には堪えられない作品
です(^^;)。
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そうだ、マクマーフィーによって人間
としての尊厳を取り戻したネイティヴ
アメリカンの大男に扮したW・サンプ
ソンも忘れちゃいけませんね。
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この頃(お話の1963年当時)は、まだ精神疾患に
有効な薬があまり開発されておらず、危険な患者
にはロボトミー手術といって、脳の神経の一部を切
断して廃人同然にしてしまう手術が大っぴらに行わ
れていた時代でした。

束縛からの解放、自由を夢見ていたマクマーフィーは、無慈悲なラチ
ェッド婦長を激昂して殺しかけたため、その手術を施されるはめに・・・。
ユーモアが散りばめられた作品ですが、後半はかなりシリアス。
けれど、マクマーフィーの夢は、ある形で実現します。
だから見終わって苦虫をかみつぶすような思いにかられることはありませ
ん。監督は、自由を求めてチェコからアメリカに亡命した人ですから、余計
にそのあたりは気をつかったはず。
未見の方は是非!
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by kiyotayoki | 2005-04-01 21:38 | 映画(か行)