映画の心理プロファイル

『複製された男』(2013 カナダ・スペイン)

仕事先で「清田さん向きの映画」と勧められたので観てまいりました。
『複製された男』。
映し出された都会の風景、空気感が違うな(霞がかかったような大気で、ちょっと寒々しい)と思ったら、
舞台はアメリカではなくカナダのトロントだった。
その空気感、この映画には図らずも合っていたような気がした。

a0037414_21321085.jpg

原題:『ENEMY』(90分)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:ジョゼ・サラマーゴ
脚本:ハビエル・グヨン
音楽:ダニー・ベンジー
出演:ジェイク・ギレンホール
    メラニー・ロラン サラ・ガドン
  
平凡な大学講師のアダムがある日、同僚に勧められた映画の中に“自分にそっくりな男”を
見つけたことから始まる不条理ミステリーです。

ドッペルゲンガーってご存じだろうか。自分の姿を第三者が違うところで見たり、
自分で自分そっくりな人を見る現象のことをいうらしい。
この映画の主人公にもまさにその現象が起きる。しかも、そっくりさんを目撃するだけでなく、相手と接触までしてしまう。
パラレルワールドの時空が何かの拍子でくっついて、別の世界の自分と出会ってしまうような感じかな。

皮肉なのは、外見も中身も同じだからか、そっくりさんは自分以上でも以下でもないというところ。
そっくりさんは講師をしているアランと違って俳優をしているのだけれど、決して才能あふれるスターじゃない。
うだつの上がらない自分と同じく、目立たない三流の脇役俳優なのだ。
しかも、性癖や女性の好みも同じだから、つき合っているのはどちらも金髪でスレンダーな女性だ。
a0037414_13591273.jpga0037414_1359327.jpg
僕らって案外自分のことは知っているようで知らないものだ。
また、知らないからこそ呑気に生きていられるのかもしれない。
だけど、この映画の主人公は自分と瓜二つの男と出会うことで、知らなくていいことまで知るはめになる。
それがどんなに苦痛か。それをこの映画は教えてくれる。
だから原題が『Enemy(敵)』なのかな。

原作の作者は、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴ。
だからか知らないけれど、うわべの理屈でお話を理解しようとすると???マークがいっぱいついてしまう
作品ではありました。









a0037414_1729256.jpg

[PR]
by kiyotayoki | 2014-08-12 17:36 | 映画(は行)