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映画の心理プロファイル

『わすれな草』(1999 香港)

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原題:『半支煙 
  DOWN IN SMOKE』(101分)
監督・脚本:イップ・カムハン
出演:エリック・ツァン
    スー・チー
    ニコラス・ツェー
    サム・リー
    ケリー・チャン
    アンソニー・ウォン
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新聞のテレビ欄でエリック・ツァンの名を見かけ、眠い目をこすりながら観た作品です。『インファナル・アフェア』の彼があまりにも印象的だったものですから(^^。
エリック・ツァンというと、昔はただの気のいいトッチャン坊やって感じでしたが、随分貫禄もついたし、役者としての幅も広がった感じ。そりゃまあ当然かな。『七福星』(1985)あたりからずっとご無沙汰してたんですから。
なので、『七福星』(32歳)から『インファナル・アフェア』(49歳)の間の彼の作品を観てみたいなぁと思っていたところだったんです。

映画はテレサ・テンの曲が流れる中、静かに始まります。舞台はブラジル。エリック・ツァン扮するヒョウは、ある事情で30年間この地に身を隠して暮らしていたようです。旅支度をしているのは香港へ帰る決心をしたから。
映画のポスターは若手の人気俳優ニコラス・ツェーが全面にフィーチャーされていますが、主役はエリック・ツァンなんですね(^^;。
ヒョウは薄くなった頭にカツラを装着すると、ボストンバッグに銃を一丁ねじ込んで住み慣れた家を後にします。目的は、自分をこんな境遇に追いやった宿敵・九龍(S・リー)と決着をつけること。そして、30年前に見初めた女性(S・チー)と再会すること。ヒョウがシガレットケースの中に大切にしまっている吸いかけのタバコは30年前にその女性がくれたものなのです。
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果たして彼女は今も自分を忘れないでいてくれるだろうか・・・。俺は忘れていないだろうか・・・。
しっとりとした日本のタイトル『わすれな草』は、そのあたりの主人公の心情を表しているのでしょう。ちなみに、わすれな草の名は、英語の花言葉「forget me not」を訳したものなのだとか。
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香港に戻ったものの、そこはもう別世界。浦島太郎のように途方に暮れるヒョウは、ひょんなことからチンピラのスモーキー(N・ツェー)と知り合います。これ幸いとばかりにヒョウはスモーキーのアパートに転がり込み、借金で首の回らない彼に札束をちらつかせて九龍と謎の女を捜す手伝いをさせることにします。
ここからが結構長い。長いけど、でも味わいはあります。それを我慢しさえすれば、最後は感動ものです。エリック・ツァンが益々好きになること請け合い。それくらい“いい仕事”してます。ついでに、健気なニコラス・ツェーのファンにもなっちゃうかも。
ついでに、悲しい場面で流れるテレサ・テンの曲(曲名忘れちゃいました)のファンにもなっちゃうかも。「同意の原理」といって、人は、悲しい時には悲しい気分にピッタリの曲が聴きたくなる生き物みたいなのです。

あ、忘れちゃいけない。
この映画、嬉しいことに『インファナル・アフェア』シリーズのレギュラーメンバーである、ケリー・チャンやアンソニー・ウォンもちょい役だけど印象的な役で登場するんですよ。
by kiyotayoki | 2005-07-08 23:14 | 映画(わ行)