映画の心理プロファイル

『グラディエーター』(2000 米)

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原題:『GLADIATOR』(155分)
監督:リドリー・スコット
脚本:デヴィッド・フランゾーニ他
音楽:ハンス・ジマー
出演:ラッセル・クロウ
    ホアキン・フェニックス
    コニー・ニールセン
    オリヴァー・リード
    リチャード・ハリス
    ジャイモン・フンスー

古代ローマ時代の剣闘士の反乱を描いた映画というと、S・キューブリック監督の『スパルタカス』(1960)を思い出しますが、あれは紀元前73年のお話。『ブレード・ランナー』(1982)『テルマ&ルイーズ』(1991)で知られるR・スコット監督の手による本作はそれから約250年後の紀元180年のお話です。
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帝政ローマの主は五賢帝のひとりとして名高いマルクス・アウレリウス帝(R・ハリス)。賢帝として知られる人ですが、その治世は戦争に明け暮れたといいます。
物語も、帝がゲルマン族との戦いで今のウィーンに布陣しているところから始まります。戦いは帝の右腕マキシマム将軍(R・クロウ)の獅子奮迅の働きで見事勝利。
その夜、帝はマキシマムを呼び、次の皇帝は暗愚の息子コモドゥスではなくお前だと告げます。
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それを耳にしたコモドゥス(J・フェニックス)は激怒。父である帝を殺し、マキシマムを反逆罪で処刑せよと部下に命じます。
傷つきながらも辛くも死地から逃れたマキシマスは一路必死に故郷へ。コモドゥスが家族をも亡きものにする恐れがあったからです。しかし、ボロボロになってたどり着いた時には時すでに遅く、妻子は惨殺された後。
最後の力をふり絞って2人の墓を作ったマキシマスはその場で昏倒。
目が覚めた時、マキシマスは自分が奴隷の身に落ちているのを知ります。
生きる希望を失ったマキシマスはされるがまま。
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剣闘士養成家のプロキシモ(O・リード)はそんなマキシマスに目をつけ、帝国一のグラディエーター(剣闘士)にすべく訓練を始めます。その成果はすぐに現れ、マキシマスはグラディエーターとしてめきめきと頭角を現しだします。そして、ついに家族を惨殺した憎き皇帝コモドゥスが鎮座するローマのコロシアムに立つことに・・・。

ざっとそんなストーリーですが、まず映像がリドリー・スコットらしくクリアでキレがあり、特に時々挿入されるマキシマスの心象風景は色が抑えられていてとても印象的。
巨大コロシアムで繰り広げられる死闘も迫力がありますが、この映画をワンランク上に引き上げたのは何といっても新皇帝コモドゥスに扮したホアキン・フェニックスの憎々しい演技によるところ大でしょう。最後は皇帝みずからコロシアムでマキシマスと剣を交えますしね(実際には皇帝が闘うなんてことはなかったんだろうなと思っていたら、この皇帝はしばしば剣闘士とこの残忍なゲームを楽しんだと歴史書に書いてあるそうです)。
ホアキンって当時まだ25才だったんですね。
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そして、忘れちゃいけないマキシマス役のラッセル・クロウ。ハマリ役です。
スペインの農民の出を自負するマキシマスは、戦いに臨む時は必ず膝を付き土の感触を指で味わい、そのニオイを嗅ぎます。触覚と嗅覚は、大脳新皮質を刺激する視覚や聴覚と違い大脳辺縁系を刺激します。大脳辺縁系は本能を司る部分。マキシマスは土に触れニオイを嗅ぐことで闘争本能を目覚めさせていたのではないでしょうか。
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by kiyotayoki | 2005-10-13 20:33 | 映画(か行)