映画の心理プロファイル

TV『コンバット』

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このところ、連日BS2でやっている懐かしのTVドラマ『コンバット』。
一昨日見た作品は演出・脚本があの『マッシュ』(1970)のロバート・アルトマンということで興味深く見ました。
この日のエピソードのタイトルは『一人だけ帰った(原題:『CAT AND MOUSE』)』。

独軍の攻勢に押され気味の米軍は、状況を打開しようと斥候を出して情報収集を図りますが、独軍の守りは想像以上に堅く何度出しても犠牲者が増えるばかり。
それでも情報は必要と、斥候から帰ってきたばかりのサンダースを案内役に立てて新たな斥候隊が組織されます。斥候隊のリーダーはサンダースと同じ階級のジェンキンズ軍曹。
軍隊は階級社会。ふたりの頭がいるとどうなるか、先行きが心配になりますよね。その上、この2人がまるで水と油。
ジェンキンズは古参兵でリーダーたることに生き甲斐を感じる猪突猛進タイプ。一方、サンダースは以心伝心を旨とする不言実行タイプ。
案の定、ジェンキンズは敵意丸出しで歴戦の勇士サンダースを「若いの」呼ばわり。さすがのサンダースもカチ~ン^^;。

なぜ水と油の人は打ち解けにくい?
水の性格の人は油の性格を心の奥に抑圧しているし、油の性格の人は水の性格を抑圧している。なのに相手は自分が抑圧しているものを平気で表に出している。それを見せつけられるのって、やっぱりいい気がしないんですね。だから無意識に反発を覚えちゃう^^;。
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2人の反発は、敵の狙撃兵や地雷で部下をなくし、水車小屋に閉じ込められても続きます。
なぜ閉じ込められちゃったかって?独軍の一部隊が2人がいるのを知らずにそこを仮設の司令部にしちゃったから。
2人はまさに袋の鼠状態。打開策が見つからない状況に業を煮やした猪突猛進ジェンキンズはサンダースの目を盗んである賭けに出ます。自分が捕まることで敵から情報を得ようと試みたのです。命と引き替えの危険な賭けでした。

そのおかげてサンダースはただ一人なんとか情報を持って帰隊でき、な~んだ勇敢な兵士の美談話で終わるのかと思いきや、ここからがアルトマン監督の真骨頂。
サンダースが報告しようとすると、作戦を指揮した大尉は「ご苦労、あとで報告を聞こう」と、去っていこうとするじゃありませんか。「?!」。わけがわからずサンダースが食い下がると、大尉から意外な言葉が返ってきたのです。
「今朝、敵の暗号が解読できた。だから情報はもう必要ないのだ」
・・・なんという皮肉。
肌の合わないヤツではあったものの、命をかけてまで自分に情報を持ち帰らせてくれたジェンキンズの努力は何も報われないのか・・・。
納得できないサンダース。しかし、そこはTVドラマ。シリーズを続けていくためにはサンダースに自重を強いなければなりません。
サンダースは唇を噛みしめながらこう言うしかありませんでした。
「妙なもんです。会った途端に嫌いになったのに・・・、そのくせヤツのことは一生忘れんでしょう」

アルトマン監督が、戦争を風刺し笑いのめした快作『マッシュ』をつくるのは、この数年後のことです。
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by kiyotayoki | 2005-11-19 14:39 | 映画(か行)