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映画の心理プロファイル

『ニキータ』(1990 仏)

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原題:『NIKITA』(117分)
監督・脚本:リュック・ベッソン
音楽:エリック・セラ
出演:アンヌ・パリロー
    ジャン=ユーグ・アングラード
    チェッキー・カリョ
    ジャンヌ・モロー
    ジャン・レノ
    フィリップ・ルロワ 

ニキータ(A・パリロー)が秘密工作員として初めて暗殺に手を染めたのは、彼女の23才の誕生日のこと。
不良少女だったニキータ、警官殺しで終身刑の判決を受け表向きは精神安定剤の打ち過ぎで死んだことになっている彼女が、政府の秘密組織によって殺し屋になるための訓練を受けて4回目の誕生日が巡ってきたその日。
4年ぶりに外出を許されたニキータは教育係のボブ(C・カリョ)に連れられて高級レストランへ。
シャンパン(テタンジェ・コント?)を振る舞われ、プレゼントまでもらって、ニキータはもう有頂天。
でも、喜んでいられたのはプレゼントの箱を開けるまでのこと。
だって箱の中味は鈍く光る拳銃だったのですから。
戸惑うニキータに、ボブは小声で冷たく囁きます。
「後ろの席の2人に2発ずつぶち込むんだ」
誕生日ディナーは暗殺のための演出だったのです。それは彼女の卒業試験でもありました。
必死にその指令をクリアしたニキータは、めでたく“殺しの免許証”をもらいひとり立ちします。マリー・クレマンという別名で・・・。
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市井の人としてパリでアパルトマンを借りて生活を始めたニキータはひとときの自由を謳歌します。パリジェンヌのマネをしてスーパーで高級食材を大量に買い込んだかと思うと、レジで働いていた男(J-H・アングラード)を家に誘い、そのまま同棲しちゃう。毎日が盆と正月のような日々(喩えが古ッ)。
けれどある日、ニキータは一本の電話によって現実に引き戻されます。
《ジョセフィーヌか?》
その名は彼女のコードネームであり、それ即ち電話が暗殺指令であることを示唆していたからです。
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ところで、ニキータはなぜ暗殺者に仕立て上げられたのでしょう。映画の中では、教育係のボブが彼女の能力を見込んだことになってます。
その能力とは彼女の類い希な攻撃性。不良少女時代のニキータは、世の中の人間はみんな自分に敵意を抱いていると思い込み反発し、牙をむき出しにしていました。
「自分への敵意を感じやすい人ほど、他人を攻撃しやすい」という傾向がありますが、それを心理学では『敵意帰属バイアス』と呼んでいます。
ボブは彼女の攻撃性が暗殺者にピッタリだと判断したんでしょうね。

見直してみて、さすがに古さを感じないわけではありませんでしたが、そのスタイリッシュな展開や絵づくりは健在。というか、アジア(特に香港)映画に与えた影響は大きかったんだなぁとつくづく思いました。

さて、今日の「そっくりさん」ですが、今日は「一見遠いけど、実は案外近いかも」というお2人をご紹介。
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ニキータの教育係のボブを演じるチェッキー・カリョとアンタッチャブルの山崎弘也(ひろなり)。
お笑いなので山崎さん、いつも笑ってますが、恐い顔したら案外似てるんじゃないかしらん。
どう思います?
by kiyotayoki | 2005-12-12 15:22 | 映画(な行)