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映画の心理プロファイル

『素晴らしき哉、人生!』(1946 米)

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原題:『IT’S A WONDERFUL LIFE』(130分)
監督:フランク・キャプラ
脚本:フランセス・グッドリッチ
    アルバート・ハケット
    フランク・キャプラ
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ジェームズ・スチュワート
    ドナ・リード
    ライオネル・バリモア
    ヘンリー・トラヴァース

録画したまま忘れていた作品シリーズ、2作目です。
思い出させてくれたのは、よくお邪魔させてもらう紅玉さん
紅玉さんの素敵な記事を読んで、これは借りに行かなくてはと思っていたら、アララ~ッ、うちにあるじゃあ~りませんか!しかも同じキャプラ監督の『或る夜の出来事』(1934)まで隣りに並んでた(これも恥ずかしながら未見^^;)。
名作だってんでとりあえず録画したんでしょうね、きっと(オイオイ^^;)。
だけど・・・いつ録画したんだっけ(ダメだ、こりゃ>_<)。
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お話は後半、俄然盛り上がりを見せます。
主人公のジョージを演じるのは、アメリカの良心といわれたジェームズ・スチュワート。
空軍パイロット(大佐)として軍歴を終えた彼の復帰第一作です。出演に際しては自分の輝かしい戦歴を宣伝に利用しないという条件を出したとか。さすがアメリカの良心。
ドラマの中でも、いつもスポットライトを浴びる弟に隠れて地味でちょっと不運な生活を送る男を彼らしく実直かつユーモラスに演じています。
お話の前半は、そんな男のツキのない半生がトピックごとに描かれます。
片方の耳が聞こえなくなっても、大学に行けなくても、建築家になる夢が儚く消えても、ジョージはめげません。それが自分の人生と受け止めて、前向きに生きてく。
そんな彼に惹かれたのがメアリー(D・リード)。完全に彼女のひとめ惚れです。
結婚してからの彼女はまさに糟糠の妻。今年の大河ドラマ『功名が辻』の山内一豊の妻みたいな人(感動のラストも彼女の助けがあればこそでしたし)。
「なぜボクみたいな男と結婚したんだい?」
ってジョージの問いに何と答えたと思います?
「他の男じゃ、あなたに似た子供はできないもの」
思わず「甘~い」って叫びたくなるようなセリフじゃありません?
人生では不運続きのジョージだけど、女性には恵まれてるんです。

そんなジョージも人生に絶望する時がやってきます。しかも、よりによってクリスマスイブに。八方塞がりで出口なし。
思い詰めたジョージが向かったのは橋の欄干でした。飛び降りれば楽になる。
けれど寸前、彼は自殺を思いとどまります。先に飛び降りた男がいたから。
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その男こそ、ジョージの守護天使クラレンスでした。
『飛び降り自殺を止めるシーン』は趣味で随分集めましたが、こんな止め方は初めて。さすが天使!
ただクラレンス、天使としてはランクが低いらしく(AS2:2級天使)、背中に羽根がないので見た目はただのおじいさん(年齢は293歳)。
「生まれてこなきゃ良かった」と嘆くジョージに、クラレンスはとっておきのある提案をするのですが、さてそれは・・・・。
ここから映画は佳境に入りますが、ここから先を見たら「自分にも守護天使がいたらなぁ」と思うこと間違いナシ!未見の方は是非ご覧になってください。

そうそう、この映画唯一人の悪役の銀行家ポッターが自分のオフィスにジョージを迎える時、わざとジョージの椅子を低くして、彼に自分を見上げさせるようにするシーンがありました。そうすれば自分は物理的にも心理的にも相手を見下せるし、相手には心理的に圧迫感を与えることができる。いかにも悪いヤツが考えそうな心理テクニックですよね。

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by kiyotayoki | 2006-01-20 20:06 | 映画(さ行)