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映画の心理プロファイル

『アマデウス  ディレクターズ・カット』(2002 米)

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原題:『AMADEUS:DIRECTOR’S CUT』
(180分)
監督:ミロス・フォアマン
原作・脚本:ピーター・シェイファー
音楽:ジョン・ストラウス
出演:F・マーレイ・エイブラハム
    トム・ハルス
    エリザベス・ベリッジ
    ジェフ・ジョーンズ

モーツアルト生誕250周年の日、1月27日にUPしようと思っていましたが、猫のことで延び延びになってしまいました。
本作を劇場で観たのは、考えたら死んだぴりかを拾った年(1984年)だったんだな。
当時の上映時間は160分。今回観たディレクターズ・カット版は180分。途中でダレないだろうかと心配しましたが、それは“凡庸なる者”の杞憂でした^^;。

お話は、己を“凡庸なる者”と卑下する老人の告白から始まります。
老人は、「ワシはモーツアルトを殺した」というのです。
その男の名は、サリエリ(F・M・エイブラハム)。元はオーストリア皇帝に仕える宮廷作曲家であったといい、告白に耳を傾ける若い神父に自分の曲をピアノで弾いて聞かせます。ところが何曲弾いても神父は首を傾げてばかり。最後に弾いた曲にやっと「あ、それ知ってます」と目を輝かせる神父。でも、悲しいかなそれはサリエリではなくモーツアルトの曲だったのですが・・・。
“やはりな”という顔で天を仰ぐサリエリ。

それから始まる回想は、まさにサリエリのグチ、繰り言です。
自分は努力の末に音楽と教養と地位を身につけたのに、あいつときたら天分だけでそれをいとも簡単に手に入れようとしている。
神はヤツには天分を与え、私にはヤツの天分を見抜く力だけしか与えてくれなかった。ヤツは神を冒涜する男なのに・・・。私は神をこよなく愛し信奉しているにも関わらずだ・・・。
普通なら、そんなグチを3時間近くも聞かされたらうんざりするものですが、かえってそのグチに引き込まれていくところがこの映画のすごいところ。
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それは巧緻なストーリーテリングもさることながら、全編に散りばめられたモーツアルトの名曲(主にオペラ)の数々にやはり酔わされてしまうからでしょう。
モーツアルトの曲の素晴らしさは頭で組み立てられたのではないところにあるのかも。感性と直感で生み出された旋律がまるで歌うように奏でられるので、聞き手は頭じゃなく心に直接響いてくる気がしちゃう。
だから人の心を打つし、癒されもするのかな。
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もちろん出演陣も素晴らしい。アカデミー主演男優賞をとったエイブラハムも良かったけど、個人的にはなんといってもモーツアルト役のトム・ハルス。
初めて見た時は破天荒なキャラにぶっ飛びましたし、ホントにピアノを弾いてるように見えるのがスゴイなぁと感心したものです。で、今回調べてわかったんですが、彼って実際ピアノの名手なんですってね。
ちゃんと弾いてたんだね、トムさん♪




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15年前、未年の年賀状のモデルになったぴりか嬢。
無理矢理ヒツジの着ぐるみを被らされたので、かなりむくれてます^^;。
by kiyotayoki | 2006-01-30 12:29 | 映画(あ行)