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映画の心理プロファイル

『おとぎ話の忘れ物』 小川洋子・文 樋上公実子・絵

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表紙の絵とタイトルが気に入って読んでみた本。

これ、まず樋上公実子さんの絵ありきで、それをモチーフに小川洋子さんが書き下ろしたものなんだそうです。
なので絵もふんだんに織り込まれており画集のおもむきさえあります(幻想的で硬質なエロスを感じさせてくれる絵です)。
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物語の舞台は、スワンキャンディーが名物のキャンディー屋さん。ここには工場のほかに『忘れ物図書室』という私設図書館が併設されています。お客は、そこで“ここでしか読むことのできない本”を堪能できるというんですね。
そういう設定で、絵に触発されたキャンディーのように甘くてすっぱくて、ちょっぴり苦味もあるおとぎ話が何編か紹介されていきます。

印象に残ったのは、男の人魚の物語。
人魚というと性別は女という思い込みがありますよね。先日ご紹介した“スコトマ”というヤツです。その思い込みというか先入観を見事にくつがえしてくれるお話。しかも、切なく哀しく、残酷なオチがおとぎ話らしくさらりと綴られている。

小川洋子さんは、初春に公開された映画『博士の愛した数式』の原作者でもいらっしゃる。映画を観るのは乗り気がしませんでしたが、原作は読んでみようかなという気になってきました。
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by kiyotayoki | 2006-07-02 19:15 | 閑話休題