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映画の心理プロファイル

映画界の親子鷹 その7

最初で最後の親子共演作・・・
というと思い出すのはこの映画。
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『黄昏』(1981)。
父ヘンリー・フォンダ(撮影時75才)と、娘ジェーン・フォンダ(同43才)の共演作。これは、ジェーンが年老いた父ヘンリーとの不仲を解消するために用意した映画だと言われています。

2人の“不仲”は筋金入りでした。
きっかけはジェーンが12才の時。母が夫ヘンリーの浮気を苦に自殺してしまったのです。それだけでもショックなのに、ヘンリーは3ヶ月後には後妻を家に迎え入れちゃった(^^;。多感な思春期の少女には耐えられない父の裏切り行為だったでしょう。以来、親子の関係は悪化の一途。
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蛙の子は蛙で女優になってからもジェーンは父に反発。父の影響力を嫌って渡仏(64年)するや、翌年には監督のロジェ・ヴァデムと電撃結婚。67年にはご亭主がメガホンをとったエロチックでカルトなSF映画『バーバレラ』に主演して父親の逆鱗に触れたかと思うと、70年にはヴァデムと別居(後に離婚)して反戦・反体制運動&ウーマンリプ活動に思いっ切り傾倒していきます。
父親が嫌うことなら何でもやってやるわッて感じ(^^;。

いがみ合うヘンリーとジェーン。
そんな2人に挟まれて、可哀想だったのは弟のピーターだったかも。姉からは「あんなヤツをパパと思うなッ」とどやされ、父親からは「まさかジェーンの肩を持つ気じゃなかろうな」とすごまれる(勝手な想像ですけど^^;)。
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心理学ではこういうのを『ダブル・バインド(二重拘束)』といって、拘束される側はどうしていいかわからず無気力になったり思考停止状態になっちゃう。若い時、ピーターがクスリに走ったのはそのせいかも。でも、それとバイクの趣味が役立って『イージーライダー』(1969)を作って当てちゃうところはさすが。




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疎遠になった親子の絆を回復させるきっかけを作ったのは、まず弟のピーターだったようです。
1979年、ピーターは自分の監督・主演作『グランドキャニオンの黄金』への出演をパパに依頼したのです。
それが呼び水になったのかはわかりませんが、姉のジェーンも関係修復に動き出します。
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そして実現させたのが『黄昏』。
しかもパパが主演で、妻役にはアカデミー賞女優のキャサリン・ヘプバーンをキャスティング。
映画のテーマも“父と娘の絆修復”。
実際の2人の関係とシンクロする内容です。
そんな映画への出演を受けたということは、ヘンリーにも絆を回復させたいという強い思いがあったのでしょうね。それが演技にも深みを与えたのでしょう。ヘンリーは見事にアカデミー主演男優賞を獲得することになります(キャサリンも4度目の受賞!)。

ヘンリーが受賞の半年後に亡くなっていることを考えると、やっと間に合った親子の絆修復劇だったんだなぁ(@_@)。
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by kiyotayoki | 2006-07-18 19:15 | 閑話休題