映画の心理プロファイル

『カポーティ』(2005 米)その1

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原題:『CAPOTE』(114分)
監督:ベネット・ミラー
原作:ジェラルド・クラーク
脚本:ダン・ファターマン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン
    キャサリン・キーナー
    クリフトン・コリンズ・Jr
    クリス・クーパー

トルーマン・カポーティという作家を初めて知ったのは、小説ではなく彼が出演した映画『名探偵登場』(1976)でした。そこで彼が演じたのは怪奇な館の怪異な当主。70歳ぐらいに見えたのに、実年齢を調べたら51歳!50にしてもう既に人生の酸いも甘いも噛み分けていたのかしらん。

この映画に登場するのは、それより16歳も若い35歳のカポーティ。
演じているのは、撮影時37歳だったフィリップ・シーモア・ホフマン。ほぼ同じ年齢だったんですね。
ホフマンが演じるのは、猫っ毛の髪をぺたりと頭皮に貼り付け、粘っこいハイトーンヴォイスで囁くように喋る小ぎれいで小太りの男・・・これがカポーティの実像だったんでしょうか。
実際、当時のカポーティはゲイであることを隠すことなく、才気煥発、文筆業だけでなく時代の寵児としてNYの社交界を泳ぎ回っていたようです。

そんなカポーティが新たな作品のネタとして注目したのが、カンザスの田舎町で起きた一家4人惨殺事件でした。さっそく彼は幼馴染みのネル(C・キーナー)と共に現地へ取材の旅に出ます。
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ここで「へえ~!」。
なんとこのネルという女性、『アラバマ物語』(1962)の原作者ネル・ハーパー・リーだったのです。しかも幼い頃よく遊んでいたカポーティをお話の中に登場させていたなんて・・・。メガネのモヤシっ子ディルが幼き日のカポーティ。
そう言われてみると、うーん、なるほどねぇって感じ。
実は、映画の中に『アラバマ物語』の試写会のシーンがあるんですが、映画を観たカポーティの感想はというと、「騒ぎ立てるほどの出来じゃない」・・・。
同業者の意地というより、コンプレックスのかたまりだった幼少時代を映像で見せつけられたカポーティの張った精一杯の虚勢だったのかもしれません。

1回じゃ書ききれそうにないので、続きはその2で(^^;。
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by kiyotayoki | 2006-10-02 23:11 | 映画(か行)