映画の心理プロファイル

『救命士』(1999 米)

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原題:『BRINGING OUT THE DEAD』(121分)
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ジョー・コネリー
脚本:ポール・シュレイダー
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ニコラス・ケイジ
    パトリシア・アークエット
    ジョン・グッドマン

この映画って『タクシードライバー』(1976)『レイジングブル』(1980)の監督・脚本家コンビの作品だったんですね。

ニコラス・ケイジという役者さんは、アクション物からファンタジー物、そしてシリアス物まで幅広くこなす芸達者な人ですが、この映画で彼が扮するのは、アメリカでは当たり前になってる民間の救急救命士。
救急医療の仕事がどんなにハードかってことは『ER』などの医療ドラマでもお馴染みですが、こちらで描かれるのは事故現場から患者を救急病院へ運ぶ仕事の過酷さ。かなりシリアスな役です。

主人公曰く、
俺たちは人の命を救うのではなく、人の死を見届けるのが仕事だ

彼ら救命士に認められているのは、緊急蘇生術のみ(日本ではそれすら満足に認められていないようですが)。命を救うのが仕事なのに、それ以上の処置は出来ず後は病院へ荷物のように搬送するだけ。そんな欲求不満と悔恨の日々を送る主人公のフランクは、過労に加え慢性的な睡眠不足で精神に変調をきたし始めます。
このあたりは、同じ監督・脚本の『タクシードライバー』(1976)を彷彿とさせる展開。違うのは、こちらのフランクはあくまでも善良であることかな。

心を病んだフランクは過去に助けることができなかった少女の幻覚に悩まされます。
幻視や幻聴といった幻覚は、断眠や感覚遮断によって正常な人でも体験するといいますから、フランクみたいに慢性的な寝不足で長い間車の中で過ごす仕事をしていると感覚遮断状態になってそんな怖い体験をしてしまうんでしょうね。
タクシードライバーやトラックの運転手の中には深夜、長時間運転中に幽霊を目撃する人がいるようですが、あれも感覚遮断による幻視なのかも(ホンモノを目撃した人もいないとは限りませんけどね^^;)。
 
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by kiyotayoki | 2006-10-25 12:59 | 映画(か行)