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映画の心理プロファイル

『ブロンコ・ビリー』(1980 米)

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原題:『BRONCO BILLY』(116分)
監督:クリント・イーストウッド
脚本:デニス・ハッキン
音楽:スティーヴ・ドーフ
出演:クリント・イーストウッド
    ソンドラ・ロック
    ジェフリー・ルイス
    スキャットマン・クローザース

地上波でやっていたのを録画して観ました。
だから吹き替え版。イーストウッドの声はもちろん故・山田康雄さん(亡くなってもう11年も経つんだなぁ)。
イーストウッド監督・主演の、西部劇へのオマージュ的作品です。

観るのは2度目でしたが、これを観ると幼稚園か小学校低学年だった頃、実家近くの公園で見た移動サーカスを思い出します。お金を払って見たわけじゃありません。くたっとしたテント張り(その感触を不思議と覚えてる)の小屋のすき間からこっそり覗き見したの(^^;。
覗いた途端、目に飛び込んできたのは巨大な球形の金網!その中でオートバイがぐわんぐわんエンジン音を轟かせながら曲乗りをやってた。いやあ、驚いたし、目に心に焼き付きました。以来、サーカスには人一倍思い入れが強い気がします。

イーストウッド扮するブロンコ・ビリー率いる一座がやっているのも一種のサーカス、ワイルド・ウエストショー。移動テント内で繰り広げられるのは早撃ち、曲乗り、投げ縄といった熟練のワザの数々。ただし、極上のワザを披露できるのはブロンコ・ビリーだけ。後のメンバーのはまあ賑やかし程度。
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それもそのはず、団員は全員前科者。というのもブロンコ・ビリー自身が前科のある身で、団員はみな刑務所で知り合った連中ばかりだったから。
とはいえ、みんな止むに止まれず罪を犯した連中なので、気のいいヤツばかり。しかも団長のビリーを信頼しきってる。それは一にも二にも彼の人徳の賜物。口は悪いが情はやたらに厚いんです。
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そんな“金”はないが“思いやり”だけはある一座に、嫌な結婚相手から逃げ出してきた女ミス・リリー(S・ロック)が加わったことから、ちょっと雲行きが変わってきます。
このミス・リリー、“金”はあるが“思いやり”の心はどこかに置き忘れてきちゃった女。一座の連中とは水と油のような存在だから合うはずがない。だけど、情の厚いビリーは窮鳥懐に入らばナントヤラで、なんとか一座にとけ込ませようとする(しかも彼女にホレちゃったし)。

この映画、クリントとソンドラが一番アツアツの頃に撮られた作品なんじゃないかな。それだけに2人の息はぴったり。

劇中、2人の仲はなかなか進展しませんが、リリーと団員とのこんなやりとりから一気に弾みがつきます。

  リリー「でも彼(ビリー)、憎たらしいのよ
  インディアンの女団員「アパッチの言葉ではそれを“愛”というの

この女団員、リリーが自分の運命づけられた生き方に縛られ悩んでいる時にも素敵な言葉を投げかけてくれます。

    「ここ(一座)では自分のなりたいものになれるのよ

彼女自身、インディアンの血は入っていないのに一座ではインディアンとして暮らしていたし、西部一の早撃ち男ビリーからして実は東部生まれで元は靴のセールスマンだったのです。
人って「自分にはこの生き方しかできない」と思いがちだけど、実はその気にさえなれば違う生き方だってできるんですね。
その言葉に重い宿命から解き放たれた気がしたリリーは、このとき初めて自分の殻を破ってみようと心に決めたようでした。

脚本にちょっとムラはあるものの、後味のいい映画ですね、これ♪
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by kiyotayoki | 2006-12-01 17:07 | 映画(は行)