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映画の心理プロファイル

『名探偵ポワロ 青列車の秘密』

お気に入りのTVシリーズ『名探偵ポワロ』のスペシャル版が
久しぶりにON AIRされたので録画しておきました♪
エリキュール・ポワロ。灰色の脳細胞で難事件を次々に解決する、アガサ・クリスティが生んだ史上最強の探偵(のひとり?)です。
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2005年度作品なので、バリバリの新作。あちら(英国)ではちゃんと定期的に作られているんですね。主演はもちろんデヴィッド・スーシェ(声ももちろん熊倉一雄サン)。
残念なのはスペシャル版にはジャップ警部やヘイスティングス大尉、それに秘書のミス・レモンらレギュラー陣の出演がないこと。物語に重厚感はあるけれど、遊びの部分がないだけにちょっと息苦しさを感じてしまうんだなぁ(^~^;。

今回のエピソードタイトルは『青列車の秘密』。
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パリとサンレモを結ぶ寝台列車ブルートレインの中で殺人事件が起きます。
殺されたのは、米国の石油王(エリオット・グールド)の娘ルース。容疑者は列車に乗り合わせていた乗客の面々。
名作『オリエント急行殺人事件』(1934年出版)を彷彿とさせますが、この『青列車の秘密』が発表されたのは1928年。こっちのほうが先だったんですね。そういえば、それを匂わせる「オリエント急行にはまだ乗ったことがありません」というポワロのセリフもありました。

複雑に絡み合った人間関係、そして様々な秘密と嘘。それらをかいくぐりポワロは“秩序と方法”を武器に事件の真相に迫っていきます。それはもちろん興味津々なんだけど、このシリーズの見どころはもう一つ、1920年代の古き良き時代の風景や風俗が楽しめるところ。古いものがちゃんと残っている欧州。日本の映画人は羨ましいんじゃないかな。
『名探偵ポワロ 青列車の秘密』_a0037414_177508.jpg
事件解決後、ポワロは密かに好意以上のものを感じていたヒロイン・キャサリンにこんな言葉で別れを告げられます。

本当にやさしい方、最高のおじさまだったわ

歳は親子ほど離れているし、彼女にとって自分は守護してくれる存在以上のものではないことは、灰色の脳細胞を使わずともわかっている。
なのに、ポワロが返した笑顔には恥じらいと共に一抹の侘びしさが・・・。
嗚呼、独身中年男はつらい...なぁ。
by kiyotayoki | 2006-12-09 17:10 | TV