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映画の心理プロファイル

不思議な南蛮画

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ちょっと不思議な絵。
描かれているのはヨーロッパの田園風景。
不思議なのは、2人の男女のまわりに戯れる小さな生き物。
羊みたいなんだけど、にわとりぐらいの大きさしかない。なぜ?

この絵、実は安土桃山時代に描かれた南蛮画のひとつで、描いたのは日本人画家(絵師)!500年も前の日本人が西洋画を描いていたとは恥ずかしながら知りませんでした(^^;。画材はどんな物を使ってたんだろ。

それなりによく描かれていますが、問題は、なぜ羊が小さいのか、です。
それは、これを描いた日本人画家が羊という生き物を知らなかったから。
そしてなにより“遠近法”という画法を知らなかったからなのです。

西洋に行ったことのない日本人が描いたんですから、オランダ人やポルトガル人が持ち込んだ絵を参考にして描いたんでしょう。その絵には小さな羊が描かれていた。羊が小さいのは、それだけ遠くにいるから。それが遠近法の約束事です。
ところが当時の日本人は遠近法を知らない。小さな羊は小さな生き物として目に映った。「羊ってのはニワトリぐらいの大きさの生き物なんだな」と思い込んじゃった。
だからこんな不思議な絵を描いちゃったんですね。

うーん、これもスコトマ(超思い込み)のひとつかな。
当時の日本人は、遠くにあるものだって手前の物と同じ寸法で描いていた。だから、小さく描かれた羊は当然小さな生き物だと思い込んでしまった。
一方、西洋人は当時から、そして現代の日本人も遠近法で描くのは当然と思い込んでいるから、昔の日本人が描いたミニチュア羊を見て戸惑ってしまう。
二重のスコトマということでしょうか。
文化の違いによって、見え方も変わる。見え方も一様じゃないってことですね。

ちなみに、多くの日本人が遠近法を理解したのは江戸時代も後半になってからだったんだそうな。
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by kiyotayoki | 2006-12-21 18:24 | 閑話休題