グレン・グールド
グレン・グールド(1932~1982)。
小夏さんからいただいたコメントで
思い出した孤高のピアニストです。
この人のことを知ったのは、亡くなってから10年近く経ってからのこと。小説がきっかけでした。
その小説とは、映画も大ヒットした『羊たちの沈黙』。
あのハンニバル・レクター博士がこよなく愛したのがグレン・グールドと、彼の名を世に知らしめた『ゴルトベルク変奏曲』(J・S・バッハ作曲)だったのです。
グレン・グールドの人となりについては、
このサイトにうまくまとめられているので参考になさってみてください。
とにかく、孤高、奇才、奇人というイメージの強い人。それだけにレクター博士も(トマス・ハリスも)余計シンパシーを覚えたんじゃないかしらん(^~^。
記憶が曖昧になっていたので文庫本を引っ張り出してチェックしてみたところ、ありましたありました。
誘拐された娘の情報を何としてでも知りたい上院議員に、レクター博士が犯人像を教える代わりに出した条件が、
「グレン・グールドの〈ゴールドベルク変奏曲〉、要求がすぎるかな?」
だったのでした。
誰のでもいいというのではなく、“グレン・グールドの”と・・・。
この後、レクターはこの曲をカセットで聴きながら、旋律に合わせて舞うように看守2人の命を残酷に奪い、まんまと警戒厳重なビルから脱出してしまう。
・・・苦しみと時間を超える美しい音楽が
明るい檻と係官のいる部屋を満たした
・・・サラブランド(サラバンド?)のバスの旋律進行が何度も繰り返される
彼は旋律に合わせて頷きながら歯の縁に沿って唇を動かす
・・・レクター博士は
二人が音楽のこだまの中に穴をあけるのを聞いた
映画もこのシーンだけ見直してみましたが、看守2人の悲惨な運命がわかっているだけに背筋がゾクゾクいたしました。
知らなかったんですが、
グレン・グールドって映画音楽作りにも参加してたんですね。
『スローターハウス5』(1972)
カート・ヴォネガット原作のSF作品。
監督のジョージ・ロイ・ヒルがグールドの大ファンで、拝み倒して音楽を作ってもらったんたんだとか(製作段階で一悶着あったらしいけど)。
SFといってもヴォネガット原作だから一筋縄じゃいかないと思うけど、未見なのでチャンスがあったら是非観てみたいもの。