映画の心理プロファイル

『バイオレント・サタデー』(1983 米)

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原題:『THE OSTERMAN WEEKEND』
(102分)
監督:サム・ペキンパー
原作:ロバート・ラドラム
脚本:アラン・シャープ
音楽:ラロ・シフリン
出演:ルトガー・ハウアー
    ジョン・ハート
    バート・ランカスター
    デニス・ホッパー
    クリス・サランドン

観たはずなのに、記憶にない映画
というのが、たまにあります。
これもその1本。

あのサム・ペキンパー監督の遺作で、しかも出演者は好みの俳優さんがズラリ。でもって、原作者のロバート・ラドラムは『ボーン・アイデンティティー』なども書いた人。
これでなんで内容を覚えていないんだ?・・・・と首を傾げてしまったけど、改めて見てみて理由がわかったような。

エピソードが全部なんだか中途半端なのだ。
結末も、一応のオチはつくんだけど、な~んだか中途半端。スッキリしない。

主演は、前年に公開された『ブレードランナー』で、一躍脚光を浴びたルトガー・ハウアーですよ。期待するじゃありませんか。
ルトガーが演じるのは、CIAとスパイ容疑をかけられた友人たちとの間で心惑う人気TVキャスター、ターナー。
ターナーはある日、CIAのエージェント(J・ハート)から学生の頃からの友人3人がソ連のスパイと内通していることを知らされます。CIAは、その3人が週末、ターナー邸に遊びにくるので、屋敷に監視機器を張り巡らせて動かぬ証拠を手に入れようと画策。
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ターナーとしては、友情と愛国心の狭間で悩むことになるんですね。
だから心穏やかじゃないのはわかるんだけど、最初から最後までおどおどしっぱなし。完全に目が泳いじゃってる。自分の番組では大物有名人の暗部をあばく辣腕キャスターぶりを発揮している男にしては、ちょっとだらしがない。

人の心のありようは、その6割以上が表情で読みとれるといいますから、3人がターナーを疑うのは自明の理って感じ。
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ま、そんな話だから、米ソ間のスパイ同士の火花散る頭脳戦、暗闘が繰り広げられて、最後にはΩ(オーム)なる国家的陰謀が暴かれるのかと思うじゃありませんか。
ところが、そうはならない。話はどんどん小さくなっていく(^^;。
結局、Ωって、ヒッチコックがいうところのマクガフィン(話を盛り上げるための小道具的キーワード)でしかなかったし。

もちろん、ペキンパーらしい活劇シーンは用意されているし、お約束のスローモーション撮影場面も出てくる。
なのに、盛り上がらないんだなぁ。

せっかくバート・ランカスターが出てるのに・・・。
ルトガー・ハウアーって、このあとの「ヒッチャー」(1985)のほうが断然よかったな。悪役のほうが輝く俳優さんなのかも。
デニス・ホッパーが出てたなんて、今回初めて気づいたし(それだけ存在感がない^^;)・・・
ペキンパー監督の遺作なのにな、残念だな。
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by kiyotayoki | 2007-04-23 19:55 | 映画(は行)