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映画の心理プロファイル

『ミッドナイトクロス』(1981 米)

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原題:『BLOW OUT』(113分)
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ
音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:ジョン・トラヴォルタ
    ナンシー・アレン
    ジョン・リスゴー

劇場で観て以来だから、四半世紀ぶりの鑑賞。
いや~、トラヴォルタが若い(当時26歳。でももうお腹がちょっと出てる^^;)!
ナンシーのしゃべり方がマリリン・モンローっぽい♪
わっ、殺し屋役がジョン・リスゴーだったなんて!
しかも、エンディング、こんなに切なかったっけ?

・・・・と、意外に新鮮に再見することができました。

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主人公のジャックは、B級映画の音響を担当する効果マン。
ある夜、戸外で効果音を収録中、自動車が川に転落するのを目撃。ジャックは川に飛び込び、車中から若い女性サリーを救出するんだけど同乗していた男性は死亡してしまいます。
が、それはただの事故じゃなかった。死亡した男性は次期大統領候補だったのです。
ジャックがきな臭いニオイを感じ取ったのは、事件後、録音したテープを聞き直した時でした。
タイヤのパンクの音の前に銃声らしき音が入っていたのです。
(※『BLOW OUT』には「吹き消す」の他に「パンクする」って意味もあるようです)
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助けたサリーにひとめ惚れしたこともあって、ジャックは事件の真相を探るたるめに危険な領域へと足を踏み入れていく・・・というストーリー。

コールガールを生業とするサリーを演じているのは、当時は監督のブライアン・デ・パルマと結婚していたナンシー・アレン(当時30歳)。
ベイビーボイスなんて言葉はないかもしれないけど、「幼声」で「まん丸おめめ」で「おちょぼ口」・・・と、幼児の特徴を備えた女性は男の保護欲求を駆り立てずにはおかないところがあります。動物行動学のコンラート・ローレンツ博士は、それを「ベイビネス(赤ちゃんらしさ)」という言葉で説明してる。この映画のナンシー・アレンは、それを意識した演技でジャックを悩殺しておりました。
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一方、悩殺ならぬ絞殺で次々にターゲットを仕留めていく不気味な殺し屋を演じているのがジョン・リスゴー。
ジョン・リスゴーという俳優さんを初めて意識したのは『ガープの世界』(1982)の性転換したオカマ役だと思ってたんだけど、それより1年前に映画で見ていたんだね。知らなかった。だけど、こんな印象的な役なのに覚えてないというのも不思議(^^;。
不気味な殺し屋と心優しいオカマという正反対な役だったから同じ人だと思わなかったのかもしれないけど(^~^;。


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『サイコ』へのオマージュ的シーンがあったり、長回しのシーンがあったりと、ヒッチコッキアン(ヒッチコックの大ファン)のデ・パルマ監督ならではという映画に仕上がっていましたが、ラストが切ない終わり方になったのは、前年に憧れのヒッチコック監督が亡くなったせいもあるのかもしれません。
by kiyotayoki | 2007-10-28 11:59 | 映画(ま行)