映画の心理プロファイル

『ショーン・コネリー/盗聴作戦』(1971 米)

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原題:『THE ANDERSON TAPES』(98分)
監督:シドニー・ルメット
原作:ローレンス・サンダース
脚本:フランク・ピアソン
音楽:クインシー・ジョーンズ
出演:ショーン・コネリー
    ダイアン・キャノン
    マーティン・バルサム
    クリストファー・ウォーケン

日本語タイトルと、このポスターを見たら、
ショーン・コネリー扮する主人公が
壁に耳を押し当てて盗み聞きしているんだ、と誰もが思いますよね。

でも、そう思って映画館に出かけた当時の映画ファンは、
がっかりしたり、怒ったりしたんじゃないかなぁ。
だって、実際の映画は、
このポスターを時計と逆回りに90度回転させて、やっと納得できる内容になってますから。




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そう、実際は、「壁に耳を押し当てて盗み聞きしている」写真ではなくて、「床に倒れている」写真なのです。
なぜショーン・コネリー扮する主人公デュークは、こんな無様な姿をさらすことになったのか、それを描くのがこの映画の主題。

それに、「盗聴作戦」なんてタイトルだと、デュークが盗聴を仕掛けて何か大胆な作戦を決行するんじゃないかと思うかもしれないけど、実際は、盗聴を仕掛けられるほうなんだな。しかも、デュークは盗聴とは縁のないただの泥棒だし、最後まで自分が盗聴されていることを知らなかったんじゃないかしらん。
ま、とにかく、かなり的はずれなタイトルなわけです。

なんでそんなタイトルをつけた上に、勘違いさせるようなポスターを日本の配給会社は作ったのか。そりゃもう、当時はショーン・コネリー=ジェームズ・ボンドだったからなんでしょう。
なにしろ、この年の12月には、コネリーが4年ぶりに007に復帰するファン待望の『007/ダイヤモンドは永遠に』の公開が決まってた。
で、この映画の公開が2ヶ月前の10月。「007人気のおこぼれをいただきたい」と配給会社が考えても不思議じゃない。ご丁寧にタイトルにコネリーの名前まで入れちゃってますから(^^;

そんな配給会社の思惑が当たったのか外れたのかは知りませんが、映画的に評価が低いのはやっぱり姑息な手段で稼ごうとした配給会社のせいでしょうね。
観てみたら、そんなにデキの悪い映画じゃないですもの。
さすがシドニー・ルメット、ただの泥棒映画にはしていません。
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個人的には、デビューしたばかりの初々しいクリストファー・ウォーケンを見ることができて、それだけでも嬉しかったし。撮影当時はまだ27歳ぐらいだったんですね(右は、新作『ヘアスプレー』のウォーケン、撮影時は63歳)。

デュークたち強盗団が盗みに入るのはニューヨークのアッパーイーストサイドにある高級アパートメント。
真ん中のホールにらせん状に優美なカーブを描く階段があって、とってもアーティスティックだなと思ったら、ロケに使ったのはクーパー・ヒューイット・デザイン美術館という歴とした国立美術館なんですって。元は、鉄鋼王カーネギーの贅を尽くした邸宅だったそうな。どおりでアーティスティックなはずです。

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by kiyotayoki | 2007-11-06 13:14 | 映画(さ行)