映画の心理プロファイル

『恋人はゴースト』(2005 米)

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原題:『JUST LIKE HEAVEN』(95分)
監督:マーク・ウォーターズ
原作:マルク・レヴィ
脚本:ピーター・トラン他
音楽:ロルフ・ケント
出演:リース・ウィザースプーン
    マーク・ラファロ
    ジョン・ヘダー

オープニングにかかるのはザ・キュアーのヒットナンバー「JUST LIKE HEAVEN」。この作品の原題にもなってる。歌っているのはグルジア出身の歌姫ケイティ・メルア
その透明感のあるキュートな歌声に、いい気持ちでたゆたっていた主人公がハッと目を覚ますところから物語はスタートします。

リース・ウィザースプーン得意のラブコメ。今回は、ファンタジーで味付けされています。
日本語タイトルからも想像できるけど、ゴーストを恋人にしてしまうお話。なにせ相手が迷える霊魂だから触れ合うことさえできない。もどかしくも切ない恋。
この手のお話は人の心をつかむ力があるようで、昔から手をかえ品をかえ作られてる。
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たとえば、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)。
タイトルも似てるけど、内容的にも似てるところがある。たとえば『ゴースト』に出てきた霊媒師オダ・メイ(W・ゴールドバーグ)みたいな役どころで、霊が見えるオカルト書店の店員が出てくるし。演じているのは、『バス男』のジョン・ヘダー(以前Ruijiさんが注目されておりました)。
  ※オカルト書店の名は「ABANDONED PLANET」
   といって、サンフランシスコに実在しているみたいです。

ただ、『ゴースト』は男が死んで霊魂になっちゃうんだけど、こちらは逆で、さまよえる霊になるのは女のほう。
それに、正確にいうと彼女は死んではいない。
交通事故に遭い、植物人間状態で入院しているのです。
なのに、霊魂(生き霊)だけは愛着のあるアパートメントの自分の部屋に戻ってきちゃった。
でも、そこにはもう新しい住人がいたものだから、さあ大変。

普通、霊魂というのは実体がないから、人間の目には見えないというのが相場。
ところが、新しい住人になったデヴィッドにだけはなぜか彼女(生き霊)の姿が見えちゃう。
その謎(ってほどのものじゃありませんけど)は、映画を観ていくうちにだんだんわかってくる仕掛けになっております。

「あんた何者?なんで私の家にいるの。早く出てって!」
生き霊のエリザベスにすごい剣幕でまくし立てられて、混乱するデヴィッド。

面白いのは、このお話の中では霊魂は体から抜け出る時、記憶をなくしてしまうという不文律があること(体内に戻る時も!)。肉体から抜け出た魂は、もう次の転生に向けての準備を始めちゃうってことでありましょうか。
映画を見ると、執着心のない記憶ほど消えちゃってる。
自分が医者であることも忘れてた。
恋もせず、仕事ひと筋に生きてきたエリザベスだったけど、覚えていたのは安らげる自分の部屋だけだったというのは皮肉だけど十分あり得る話だなと思いましたよ。
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そんなだから、やっと自分が実体のない霊魂だと知ったエリザベスは、まず自分探しをしなきゃならないハメになる。それに協力することに生き甲斐を感じ始めるデヴィッド。
そんなふたりに恋心が芽生えても不思議じゃありませんよね。ラブコメだし(^^

ネックは、エリザベスの肉体がこの3ヶ月、生命維持装置なしでは呼吸もままならない状態であること。しかも、病院側は生前、エリザベスが延命措置に反対していたという事実を実の姉に突きつけて、生命維持装置を外すように迫ってくる。

さあて、エリザベスの運命は・・・。
そして、触れ合うことさえできないふたりの恋は成就するのでありましょうか?!

・・・と、結構楽しく観ることができたのに、この映画って日本では未公開だったんだね。
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by kiyotayoki | 2007-11-14 18:15 | 映画(か行)