映画の心理プロファイル

『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989 米)

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原題:『THE FABULOUS BAKER BOYS』
(109分)
監督・脚本:スティーヴ・クローヴス
音楽:デイヴ・グルーシン
出演:ミシェル・ファイファー
    ジェフ・ブリッジス
    ボー・ブリッジス

以前、TVで中途半端に見たことはあったけど、しっかり観たのは今回が初めて。

最近、注目されている若手のピアノ・デュオに『レ・フレール』という兄弟ユニット(斉藤兄弟)がいるけれど、この映画の主人公の2人も兄弟でユニットを組んでいるピアノ奏者です。
演じているのは、実の兄弟でもあるボー・ブリッジスとジェフ・ブリッジス。

カメラはピアノを弾く2人、特にジェフ・ブリッジスの手元をしっかり映してる。それを見る限り、本人が弾いてるとしか思えない。もしかしたら、2人共、ピアノの心得がかなりあるのかも。
ジャズピアニストとしても知られるデイヴ・グルーシンが音楽を担当しているだけに、思わずサウンドトラックを買いたくなっちゃった。

フランクとジャックは11歳と7歳でピアノを弾き始め、プロになってもう15年というベテランピアノデュオ。ピアノの才能は断然、弟のジャックが上。だけどマネージメント(世渡り)としゃべりは兄のフランクがいないとどうにもならない。
というわけで、2人は互いをなくてはならないパートナーとして認め合い、これまでやってきた。
が、人気はジリ貧。ピアノデュオという当初の物珍しさもなくなり、フランクのワンパターンのしゃべりに反応する客もあまりおらず、クラブのオーナーから契約の打ち切りを告げられることもしばしば。

やむなく2人がとった起死回生の手が、女性ヴォーカルの起用でした。
場末の稽古場でやったオーディションの、最後の38人目にやってきたのがミシェル・ファイファー扮するスージー。そこで彼女が歌ったのは、「more than you know」。
ミシェル・ファイファーの歌声を聴いたのは先日観た『ヘアスプレー』に続き2度目(『グリース2』でも自慢の歌声を披露してるようだけど、未見)。
何曲も歌ってくれていますが、特に印象に残ったのはエンディングで流れた
My Funny valentine」かな(^~^。
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この女性ヴォーカル起用が当たって、一気に人気が回復。高級ホテルに招かれてステージをこなすまでになる。そこでも拍手喝采。
だけど、絶頂期は長くは続かない。原因はジャックとスージーが恋に落ちたせい。
それでも、ちゃんと落ちれば何とかなったのに、ジャックはスージーの思いを受け止められない。それを敏感に察知したスージーも思いとどまってしまう。2人とも、恋で満たされた経験がなかったのかも。だから、不安が先に立ってしまう。
そんな時こそ「more than you know」が歌えればよかったのにね。
「あなたが思う以上に、私は心からあなたを愛してる♪」ってラブソングだもの。

そのうちスージーにCMの仕事が舞い込み、グループは解散の憂き目に・・・。
ジャックとフランクのステージは華を失って一気に色褪せ、以前より悲惨な状態に。
“FABULOUS(素晴らしい)”とは到底形容しがたいステージになってしまうのでした。
嗚呼・・・。

“FABULOUS”とは言い難い不器用な大人の恋の物語・・・。
でも、後味は悪くはありません。
そういえば、ジャズの名曲にも、不器用な恋をうたった歌が多い気がします。
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by kiyotayoki | 2007-11-22 19:00 | 映画(か行)