映画の心理プロファイル

『アメリカン・ギャングスター』(2007 米)

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原題:『AMERICAN GANGSTER』(157分)
監督:リドリー・スコット
脚本:スティーヴン・ザイリアン  
音楽:マルク・ストライテンフェルト
出演:デンゼル・ワシントン
    ラッセル・クロウ
    キウェテル・イジョフォー
    キューバ・グッティング・Jr
    ジョシュ・ブローリン
   
あちこちのブログで話題になっていたので、遅れてはならじ!と観てまいりましたっ。
観るまでは、あんまり情報を入れないでおこうと思って、皆さんがお書きになっている記事はサラッと目を通しただけだったんですが、ruijiさんちのコメントのところで「最後の噂の1カットを見逃してしまいましたー!ショックー!(by紅玉さん)」というのを目ざとく見つけ、おかげでしっかりその1カット、見ることができました。
紅玉さん、あなたの悔しさは僕が晴らしましたからねっ(「ぜんぜん晴れないってば(by紅玉さん)」)^^;。

オープニングテロップで、この映画が事実に基づいたものであることが観客に知らされます。
これがあるとないとじゃ、ストーリーの受け取り方が全く違ってくる。
お話は、1968年から1976年ぐらいまでの8年間に、
ニューヨークの主にハーレムで起こった出来事が綴られてく。

1970年代の前半というと、『ゴッド・ファーザー』などの小説や映画でやっとイタリアンマフィアという存在が日本人にも認知され始めた頃だ。その頃、すでにニューヨークでは黒人の麻薬密造組織がそのイタリアンマフィアを脅かす存在になっていたんだね。これは驚き。

そんな闇組織をハーレムにつくり上げた男、それがデンゼル・ワシントン扮するフランク・ルーカス。フランクが新たな麻薬ルートを開拓できたのは、自分のボスだったバンピーの嘆きの言葉と、ベトナム戦争の泥沼化だったってところが皮肉な話。
ベトナム戦争ってホントにアメリカを壊しちゃったんだなぁと実感できる映画、久しぶりに観た感じ。でもこの時代、エイズはまだ表面化していませんが。
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一方、結果としてフランクの牛耳る麻薬組織の壊滅を目指すことになるのがラッセル・クロウ扮する刑事リッキー・ロバーツ。この時代のニューヨークは、警官の汚職がすでにまかり通っていたようで、それに反発するリッキーは周囲から疎まれ孤立している。
仕事一途なリッキーは私生活でも元妻に離婚を迫られ息子の養育権で争うはめになってる。
でもそれは身から出た錆でもあるんだけど・・・。
リッキーって、妙にモテるんだな、これが。
仕事には誠実なリッキーだったけど、下半身は誠実じゃなかったのです。
だから、女房に言われちゃう。
「あなたが仕事に誠実なのは、他の面での不誠実をあがなうためでしょ」
みたいなこと。
これはまさに、補償という心理ですね。
人は劣等感や無力感を覚えた時、それを認めたくないので他の面の能力を発揮することで優越感を覚えたり心の均衡を保とうとするみたいなんですね。

フランクにしても、家族の絆を異常なまでに大切にするのはこの補償の心理が働いているのかも。
とするとこの映画、心理学的には「補償」がテーマになるのかも・・・。
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写真(右)は、憎々しい悪徳警官を演じているジョシュ・ブローリン。
顔立ちといい、ブローリンという苗字といい、たぶん『カプリコン1』のジェームズ・ブローリンの身内だろうと思って調べてみたら、おお、息子だったんだ。奥さんは、へぇ~、ダイアン・レイン!

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幸せの絶頂期のフランク。

右端に写ってるフランクのママ役の女優ルビー・ディーはアカデミー助演女優賞にノミネートされてるらしいです。
手堅い演出で、いい仕事をしたリドリー・スコットだけど、今回はその他の賞には無縁だったみたいですね。





エンドタイトルの後の1カットがどんなものかはシークレットだけど、
画面に映ってない、こっち側にいたのは、
たぶんキューバ・グッティング・Jrだったんじゃないかなぁ(^~^。
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by kiyotayoki | 2008-02-11 16:35 | 映画(あ行)