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映画の心理プロファイル

『フィクサー』(2007 米)

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原題:『MICHAEL CLAYTON』(120分)
監督・脚本:トニー・ギルロイ
音楽:ジェームズ・ニュートン
出演:ジョージ・クルーニー
    トム・ウィルキンソン
    ティルダ・スウィントン
    シドニー・ポラック
     

この4月から始まった海外ドラマの1本に『ダメージ』というのがある。
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グレン・クローズが巨額な賠償金のかかった訴訟事件を担当するNYのカリスマ弁護士に扮するドラマ(BS-2 水曜・夜11時~)で、その存在感はさすがって感じ。
しかも、勝訴を勝ち取るためには身内や味方にも非情・冷酷になる役柄。これがハマり過ぎで怖いほど(この役で彼女はゴールデン・グローブ賞を獲得したらしい)。
そのあまりの非情さが、周囲だけでなく自分の身にもダメージを負わせていくというストーリー。
ドラマの進行も一筋縄じゃいかないスキャンダラスな作りになっていて、次週に引っ張っていく仕掛けになってる。

そんな『ダメージ』と、わりと似た設定なのが、ただ今公開中の映画『フィクサー』。
ジョージ・クルーニー扮するマイケル・クレイトンは、NYの大手法人向け法律事務所に勤務する有能なフィクサーということになっている。
フィクサーというのは、訴訟事での厄介な問題や事実をもみ消したり、帳尻を合わせる汚い仕事をする裏方のことをいうそうな。
「有能なフィクサーということになっている」と書いたのは、“有能”とは名ばかり、というか、元は有能だったのかもしれないけれど、今はその裏稼業にすっかり疲れきっていて精彩を欠いた暮らしをしているから。
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ジョージ・クルーニーって、カッコよくてダンディな外見を恥じるかのように、カッコ悪い役ばかりをやりたがる俳優さんだなといつも思う。
演じるのが人生の敗北者的な役が目につくのだ。クルーニーって、多分にマゾヒスティックな人格の持ち主なのかもしれないな。

今回もそうで、主人公は自分だけでは解決できない多くの問題を抱え込んでいる。

その話が前半の多くを占めるので、重た~い展開が続く。
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おまけに、総額3000億円の集団訴訟の被告である巨大農薬会社の弁護を引き受けている同僚アーサー(T・ウィルキンソンはもっと精神的に病んでいて、マイケルはそのサポートでも忙殺される。
観ていて疲れる、というか、下手するとウトウトしちゃう展開。

後半はサスペンスフルになり、一転、スビーディな展開になるので、中盤までの重たさが余計に際立つ映画になった感じ。同じミステリアスな話でも小気味のいい展開を見せる『ダメージ』のほうが質的に勝っているんじゃないかと思うほど。
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法律事務所の上役マーティ役には映画監督のシドニー・ポラック。
また、被告の大企業側の訴訟担当弁護士カレン役にはティルダ・スワントン(アカデミー賞助演女優賞受賞)。
玄人好みの顔ぶれがそろっているし、監督はジェイソン・ボーン三部作の脚本家トニー・ギルロイだし、もう少し最初っから緊迫した展開、そしてクルーニーにも有能なもみ消し屋としての顔を期待していたんだけどな。
ちょっと残念。

一点、良かったのは、CGを使わないでいい作品なので、その分エンディングロールがとても短かったこと。最近のはうんざりするほど長いでしょ(^^;。
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by kiyotayoki | 2008-04-27 13:29 | 映画(は行)