映画の心理プロファイル

『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008 米)

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原題:『CLOVERFIELD』(85分)
監督:マット・リーガス
製作:J・J・エイブラムス
脚本:ドリュー・ゴダード
出演:マイケル・スタール・デヴィッド
    オデット・ユーストマン

巨大で強大な破壊者が街を蹂躙する映画は数多あるけれど、ここまで徹底して蹂躙される側の視点で描かれた映画はなかったかも。

情報を小出しにすることで、噂が噂を呼んで話題になっていた映画、やっと観てまいりました。
話題になってたわりには、お客の入りは大したことなかったけれど(^^;。
この映画のファンは、もうとっくの昔に観ちゃってるんだろうね。

映画の発想の原点は、やっぱりアメリカ人の心に染みついた9.11の恐怖があるんだろうな。
それまで、アメリカは攻撃・空爆することはあっても、されることはほとんどなかっただろうから、される側の恐怖を味わうことも、想像することもなかっただろう。
でも、あの出来事で被害者になることにリアリティが生まれたんじゃないだろうか。

突然の惨劇に見舞われた人間は、それにどう対処するか、できるのか。
それが臨場感たっぷりに描かれている。
徹底して被害者の視点で描くことを可能にしたのは、映像がすべて被害者が手にしているムービーカメラで写されたものだから。
その手法は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で試されているし目新しくはないんだけれど。そのために疑似ドキュメンタリー風になっているところも同じだ。
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巨大な破壊者からすれば、人間なんて地面にへばりついて生きている蟻の群のようなもの。
二次元世界に住んでいるようなものだから、突然、三次元世界から現れた怪物に唖然・呆然としちゃう。全体像が見えないんだから、無理もないよね。
何か大変なことが起きてるんだけど、何が襲ってきているのか、事態をどう解釈して、どっちへどう逃げればいいのかわからない。
その混乱ぶりが、ブレた映像となってスクリーンに映し出される。
そのうち、どーん、どどんと、物体が放物線を描いて飛んできたかと思ったら、それがなんと自由の女神の首だったりするもんだから、もう辺りは茫然自失。大パニックに陥っちゃう。
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『ブレア・ウィッチ~』同様、夜の闇が不安と恐怖をよりかきたてている。
不安と恐怖の違いは、前者が「持続的」であるのに対して、後者は「瞬間的」であるということ。
観客を持続的に不安にさせるには、延々と続く夜の闇が効果的なわけですね。
違う点は、特撮にそれなりにお金が使われていること。
だから、モンスター・パニック映画としても十分楽しめる。
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うまいな、と思ったのは、撮影に使われているビデオテープ(ディスク?)が一度録画されたものであること。重ね撮りをしているので、時々、映像と映像のあいだに以前録画された映像がチラッと映ったりする。その断片的な映像がいかにものどかでハッピーなだけに、登場人物たちに降りかかる災難が余計悲惨に、無情に思えてしまう仕掛けになっている。
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それにしても、登場人物たちが手にしているムービーカメラはタフです。
どんなに過酷に扱っても壊れないし、長時間使ってもバッテリー切れしない。

メーカーは、どこだろ(^~^。
   
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by kiyotayoki | 2008-04-19 17:01 | 映画(か行)