『ハプニング』(2008 米)
原題:『THE HAPPENING』(91分)
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:マーク・ウォールバーグ
ズーイー・デシャネル
ジョン・レグイザモ
アシュリー・サンチェス
あのナイト・シャマラン監督の最新作です。
あらがう術さえなく死の恐怖にさらされるという点では、今年の春に公開された『クローバーフィールド/HAKAISHA』と似たテイストの作品に仕上がっていたかな。
破壊力は『クローバー・・・』のほうが上だけど、観た後の余韻はこちらのほうが残りそう。
そうそう、映画を観ていて思い出した本がある。
『レミング物語』という童話で、作者は『リトル・ミス・サンシャイン』でオスカー(助演賞)を受賞したアラン・アーキン。この人、童話作家としても知られてる。
レミングというのはネズミ科の小動物。
ネズミ算という言葉があるように、その繁殖力は旺盛で。
餌を確保できないほどに数が増えすぎると、レミングたちは突然集団で海岸まで移動し、海へ飛び込んで次々と自殺をするのだという(実は、真っ赤な嘘という説もあるけど)。
お話は、主人公の若いレミングがそんな集団自殺という理不尽な行為に疑問を抱くというものだった。
この映画は、人類がまさにレミングにでもなったかのように、次々に自ら死を選んでいくというお話。
始まりは、NYのセントラル・パーク。
人々が次々に自殺を始める。
その集団自殺は、フィラデルフィアやボストンにも広がる。
だけど、なぜそんな異常な行為に走るのかがわからないし、対処法も皆目見当がつかない。
揣摩憶測が飛び交う中、マーク・ウォールバーグ扮する理科教師も妻と同僚(ジョン・レグイザモ)と彼の娘の4人で、単に「都会より田舎のほうがマシ」との判断で田舎を目指すことになるのだけれど・・・。
このところサバイバル能力に長けたタフガイを演じることの多かったウォールバーグだけれど、今回はまったくの市井の人。サバイバル能力に欠ける都会人だから、もう右往左往しちゃう。
こういう時、パニックにならないためには、自己チュウにならず他人のため、例えば愛する人のために考え行動するのが災害心理学上の鉄則なんだけど、如何せん、その愛する妻がちょっと挙動不審なんだよね。
ヤバイぞ、ウォールバーグ(^^;
地球から見ると、際限なく増殖し好き勝手なことをする人類は癌細胞のようなものかもしれない。
人体にはウィルスや癌細胞に対抗するナチュラルキラー(NK)細胞があるという。
それと同じように、地球が増殖する人類に対してNK細胞を発動する日が来ないとも限らない。
いや、最近続発する異常な事件なんかを考えると、もう発動しているのかもしれないね。