映画の心理プロファイル

『ヴェラクルス』(1954 米)

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原題:『VERA CRUZ』(94分)
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:ボーデン・チェイス
脚本:ローランド・キビー他
音楽:ヒューゴ・フリードホーファー
出演:ゲイリー・クーパー
    バート・ランカスター
    シーザー・ロメロ
   
ちゃんと観たの、初めてだったかも。
1954年に制作された映画とは思えないほど、テンポが良くキレも抜群にいい西部劇です。
アクションに次ぐアクション、裏切りに次ぐ裏切り、飛び交う銃弾や火薬の量もハンパじゃない。
その分、映画としての深みとか人物の描写面で欠けてる部分はあるんだろうけど、そんなものはどこ吹く風。面白けりゃいいじゃん精神で押し通した作品。
さ~すがアルドリッチ監督!

舞台は、南北戦争直後のメキシコ。
米国の内戦、南北戦争が起こったのは、1861年~1865年。
それが終結して、あり余った武器や艦船の一部が日本に運ばれ、
日本の内戦(戊辰戦争など)に使われたことは知られているけれど、メキシコも日本と似たような状況だったんだね。
しかも、メキシコの場合は内戦が終わって行き場を失ったアメリカの荒くれどもが一攫千金を夢見てわんさか入り込んできた模様。
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ゲイリー・クーパー扮する南軍の元大佐や、バート・ランカスター扮するならず者や
その手下たちが国境を越えてきた目的も同じく一攫千金だった。

元大佐トレーンとならず者エリンの共通点はもうひとつ、腕利きのガンマンであること。
違いは、エリンがガンマンとしての名をあげたいという欲求があったのに対して、元大佐トレーンの場合はガンマンとしての名前より戦争で失ってしまったプライドを取り戻したいという欲求のほうが強いというところか。
その違いが、結局は名うてのガンマン同士の決闘という結末につながっていくのだろうけれど。

残念だったのは、個性むき出し、歯むき出しのバート・ランカスターに比べて、主役のゲイリー・クーパーがくたびれて見えたこと。
もう60を過ぎた頃の作品なのかなと思ったら、まだ53歳(撮影時は52?)じゃないの。それにしては老いを感じるんだなぁ。2年前に『真昼の決闘』でオスカーをとって、安心しちゃったんだろうか。
ランカスターが男盛りの年齢(40歳)だけに、クーパーの老いが目立つ作品になっちゃったのは惜しまれるところ。
凶暴かつ野獣を思わせるランカスターを見ていたら、黒澤映画『用心棒』(1961)で短銃使いのやくざを演じた仲代達矢を思い出した。きっとすごい影響を与えたんじゃないだろうか。

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お話は、マキシミリアン皇帝に雇われたクーパーたちが、貴婦人を乗せた馬車(床下に300万ドルの金貨が隠されている)を護衛してメキシコシティ(たぶん)からヴェラクルスの港まで護衛の旅に出るというもの。
手下の中には、アルドリッチ監督作品の常連アーネスト・ボーグナインの顔も見えるし、若き日のチャールズ・ブロンソンもいる(当時は、ブキンスキーって芸名だったんだね)。

映像的に面白かったのは、途中でアステカ文明の古代遺跡(ピラミッド)の脇を通ること。地図を見たら、確かにルートのそば(★)にテオティワカンの遺跡群がある。
ちゃんと現地ロケを敢行したんだね。

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銃撃戦のハイライトは、ガトリング砲の乱れ撃ち。
当時としては新兵器であるこの機銃も南北戦争の遺物なんだろうな。

戊辰戦争で、河井継之助率いる長岡藩が多勢の官軍に一矢報いるために使ったのもガトリング砲だったけれど、それも南北戦争で使われたお古だったらしいし。

ちなみに、『ワイルドバンチ』に出てきたのもガトリング砲かと思ったら、あれはブローニング・マシンガンという機関銃なんだそうです(^へ^ゞ。
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by kiyotayoki | 2008-12-14 22:29 | 映画(は行)