映画の心理プロファイル

『グリーンフィンガーズ』(2000 英・米)

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原題:『GREENFINGERS』(91分)
監督・脚本:ジョエル・ハーシュマン
音楽:ガイ・ダガル
出演:クライヴ・オーウェン
    ヘレン・ミレン
    デヴィッド・ケリー
    ウォーレン・クラーク

このところ英国映画づいているので、今までずっと手を付けずにいたこの作品も観てみることにした。 
タイトルになっているグリーンフィンガーとは、イギリスの口語で「園芸の才能がある人」「天才的庭師」という意味だそうな。

映画のストーリー展開はガーデニング版『フル・モンティ』といった感じ。
罪を犯して人並みの人生から落ちこぼれた受刑者たちが、フラワーショウへの出品を通して生き甲斐を見出し再生していくお話。
先日、ご紹介した『やわらかい手』にしても、それから『キンキーブーツ』にしても、主人公が生き甲斐を見つけて前向きに生きていくってところは同じ。
手を替え品を替え、英国映画はこの手の作品がほんとに十八番(おはこ)になっちゃってる感じだな。

主演は、クライヴ・オーウェン。
ちょっと“うどの大木”っぽくて、掴みどころのない俳優さんだなぁと思うんだけど、最近の作品ではどうなんだろ。
主人公のコリンは殺人の罪で十代の終わりに受刑し、人生の半分近くを塀の中で無気力に過ごしてきた男。
そんな男に転機が訪れる。
自然豊かなコッツウォルズにある開放型の更正刑務所に移送されたのです。
この刑務所には、高い塀もなければ部屋にカギもない。
外界との接触をゆるやかに保ちながら、囚人たちに職業訓練を施して更正の手助けしようという施設なのです。
コリンはここで、たまたまガーデニングの仕事を与えられ、仲間になった受刑者と共に
土を掘り返し種や球根を植えていくうちに、仲間に心を開き、生きる意欲を取り戻していく。

このお話、実話が元になっているらしい。たぶん映画に登場した開放型刑務所と、そこの受刑者たちがハンプトンコートのフラワーショウに出品したというエピソードが実際にあったんだろう。
いい話ではある。
でも、刑に服するってこんな楽でいいのかしらんっていう疑問はやっぱり最後まで頭にまとわりついてしまう映画でもある。
ただ、植物や動物とふれ合わせることで、命の大切さ、奉仕することの喜びを体感させることが受刑者の更正に役立つことは確かだと思う。
実際、米国などでは殺処分されしまう犬を刑務所が引き取って、しつけを覚えさせ里親に引き渡す奉仕活動を受刑者たちにやらせることで更正に役立てる試みが実際に行われて、効果をあげているそうだし。

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“うどの大木”風のクライヴ・オーウェンはいまひとつだけど、共演者は魅力的。
主人公に植物を育てる楽しみを教えてくれる同じ房の受刑者の老人、その味わい深い顔、どこかで見たと思ったら、『チャーリーとチョコレート工場』のジョーじいちゃんじゃありませんか。
また、受刑者たちに王立園芸協会の主催するフラワーショーへの道を切り開いてくれる高名な園芸家には、ヘレン・ミレン。
そういえば、彼女が主演した『カレンダーガールズ』(2003)も、主人公たちが生き甲斐を見つけて前向きに生きていく映画でありましたね。


日本にもこの手の“人生の負け組が自分たちで生き甲斐を見つけて前向きに生きてく”映画はないかしらん・・・




あ、『フラガール』って、それっぽいかな?
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by kiyotayoki | 2009-01-27 11:31 | 映画(か行)