映画の心理プロファイル

アル・ハーシュフェルドと続・俳優そっくり犬 その28

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アル(アルバート)・ハーシュフェルドという米国の風刺画家(カルカチュアリスト)をご存じでしょうか。

1927年から70年以上にも渡ってNYタイムズ紙を中心にブロードウェイ・スターやショウビズの世界を描き続けた、ニューヨーカーなら知らない人のいないアーティストです(2003年、99歳で没)。
その功績に対して彼には2度、トニー賞が贈られてる。

ただの似顔絵じゃなく、描く対象の内面までが独特の表現で戯画化されているのがハーシュフェルドの絵の特徴かな。

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たとえば、ハーシュフェルドが
『キャバレー』のライザ・ミネリを描くと、
こうなっちゃうし。
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マリリン・モンローもこうなっちゃう。
一般的にはセクシー女優として知られている彼女を、こんな風にちょっとボーイッシュにも見える表情に描いた画家はアルさんぐらいじゃないだろうか。


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そんなアル・ハーシュフェルドが、1951年に書いたブロードウェイ演劇界の内幕本がある。
その翻訳本が10年ほど前に日本でも出た。
タイトルは『笑うブロードウェイ(原題:SHOW BUSINESS IS NO BUSINESS』。
僕がアルさんを知ったのはこの本がきっかけだった。

劇場、プロデューサー、劇作家、演出家、エージェント、デザイナー、投資家(エンジェル)オーディション、役者のオーディション、リハーサル、地方都市の初日、ニューヨークの初日、スケッチ集・・・と12章に分けて、機知に富んだ皮肉とユーモアで縦横無尽に描く文章は、彼の風刺画のタッチそのもの。
ハーシュフェルドの風刺画のタッチは、日本の浮世絵とりわけ北斎に影響を受けたんだそうな。

例えば、第2章のプロデューサーについて書かれた章の末尾に、こんな一節がある。

「ブロードウェイでのプロデューサーとしてのステイタスを確かなものにするためには、
以下の助言のうちの一つ、あるいは全部を実行する必要があります。

1.電話には出ない。
2.シャツに自分のイニシャルを入れる
3.マネー・クリップには新札を挟んで持ち歩く
4.週末はハリウッドに飛ぶ
5.妻と離婚するか、それが不都合なら、二度と公の場所に連れ出さない
6.結婚する
7.サーディズで自分のテーブルに他のプロデューサーを招き、おごる」


また、同じプロデューサーの章にこんなインチキなプロデューサーの話が出てくる。

「彼は、必要以上の投資を募る。そして、プロデュースした芝居は成功させない。
結果、投資家に利益を払い戻さない。つまり、余分に集めた投資を着服してしまうわけです」
 

これって、メル・ブルックスの初監督作品の映画『プロデューサーズ』(1968)に登場するプロデューサーにそっくりだけど、あの映画のアイディアは案外この本から拝借したものかもしれないね。

・・・と、なんだかんだとアル・ハーシュフェルドさんのことをご紹介してきたのは、
「俳優そっくり犬」も戯画化という点ではアルさんのお仕事と似たところがあるなと思ったから。
偉大な先達と比べるのはおこがましいんですけどね(^^;。
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で、今回のそっくり犬は映画『プロデューサーズ』の2005年のリメイク版から。


さて、今回のそっくり犬は、
マシュー・デロデリックでしょうか。
それとも、相方のネイサン・レインでしょうか(^~^。





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さて、これどっちでしょ。












al hirschfeld gallery

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by kiyotayoki | 2009-02-28 14:04 | 続・俳優そっくり犬